社会
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勝った自民党だが、そうそう喜べた内容では無い事を数字が証明した形となっている。前回よりも低かった51.21%(埼玉県)と言う投票率だが、前回との比較で低かっただけで、そんな一元的な見方だけで割り切るのは危険である。人数に直すと約5300万人の有権者が投票していて、その内の12%が期日前投票をした事を併せて考えると、一概に低かったとは言い切れない面があると思う。選挙前の世論調査から自公の勝利、参院のねじれ解消が大きく喧伝され、国民の関心は薄れる一方の参院選にあって、投票率はおそらく50%を切るだろうと予測されていた中での50%超えは意外とも思える数値であった。最近に行われた各級地方選挙と比べれば、国政への関心は段違いに高いのである。
「誰を選んだらいいのか判らない」「入れたい人がいない」等はよく聞かれる話であるが、期日前投票者は毎回増え続けているのである。今回は約12%、約1200万票だったが、これは有権者総数に対するパーセンテージであって、これを実投票数に対する割合にすれば実に24%にも値するのである。報道された投票率をそのまま鵜呑みにすると実体が霞んでしまって選挙の実像が見えにくくなってしまうが、この辺をキチンと把握しつつ、この参院選を見渡すといろいろな事実が浮かび上がってくるのだ。つまり、実投票者の内の四人に一人が確かな意思をもって候補者を選び事前投票という形で民意を表示しているのである。国民の権利を無にせずに、確固たる信をもて投票先を決めて票を投じているのである。ほとんどの場合が確信票であろう。このような有権者が着実に増えつつあると言う事は、とりもなおさず国政への重大な関心を秘めている層が徐々にではあるが確実に増加して来ている事の証とも言えると思うのである。
自民党の比例区得票数が1850万弱であった事と合わせて考えると、1200万票とは空恐ろしい数値である。今後は、この政治への関心度の深い層へのアピールをいかに成すか、事前投票をするような、いわば積極的な政治参加者達に従来よりも、もっともっと踏み込んだ形で政策提言ができるか否かが各党の課題となってくるであろう。旧態依然とした我が国の政党は、まだまだ、この辺の分析にも着手してない模様だし、問題意識も希薄であるのは情けない限りである。大勝利の自民党も、選挙区での得票総数が2270万弱だったのに対し、比例区では1850万票しか取れていないのである。つまり政党名の選挙では個人名の選挙より420万も票を減らしているのは何故なのか、ここらの真摯な反省なくしては次の展望は望めないだろうし、自民党再生は絵に描いた餅となって、ついには国民の期待に応えられずに、再び坂道を転げ落ちるだろう事をあえてここに記しておきたい。
ちなみに、民主党も選挙区で860万票を取ったのだが、比例区では710万票に減らしている。しかしながら、比率で言うと民主党が17.4%減なのに対し、自民党は18.5%減とこれを上回っているのである。民主党が人気のないのは周知の事実だが、自民党だってそれに輪をかけた不人気ぶりなのである。数字は正直に今回の参院戦を物語っているのであるが、ここらあたりをしっかりと胸に刻み、謙虚に実直に経済を始めとする国民の期待する政策を実現させるべく一呼吸の後、一丸となって奉公に身を尽くしてもらいたいものだ。
( 仁 清 )
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