トップページ ≫ 社会 ≫ オリンピック招致決定は、埼玉発展の機会
社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
すでにテレビ新聞等を大いに賑わしているが、2020年の夏季オリンピックの開催地が東京に決まった。株価は日経平均株価が前週末比344円42銭高(2.48%)と反発し、株式市場にも期待感があふれている。野村証券によると、過去にオリンピック招致が決まった7カ国のうち、6カ国は、決定発表から200日間で株価が平均15.9%上昇しているそうだ。今回の決定が1964年の東京オリンピックの記憶を呼び起こし、国民の気持ちを高揚させている。
さて今回のオリンピックの経済効果について、都などの試算では、13~20年の7年間で国内経済にもたらす経済効果は約3兆円、約15万人の雇用が創出される、という。これは直接的効果に限った話で、観光産業が倍増することや国土強靭化計画などといった間接的な波及効果もいれると総額では約150兆円規模になるという。
具体的なところでいうと、インフラ投資が前倒しされる。例えば成田−羽田両空港間の「都心直結線」整備や環状2号線、首都圏3環状線などの整備工事だ。また首都高の耐震補強など既存施設の再整備などがある。将来の人口減を考えると社会インフラの整備のタイミングはまさにこの7年間しか無いと思われる。また観光客も大幅に増えると考えられており、現在年間837万人の訪日外国人旅行者を2030年に3,000万人にすることを目指すビジット・ジャパン事業の起爆剤になるであろう。
さて、2020年の東京オリンピックにおいて、埼玉県内には埼玉スタジアム2002(サッカー)、霞ヶ関カンツリー倶楽部(ゴルフ)、陸上自衛隊朝霞訓練場(射撃)の3施設が競技会場になる予定だ。ことサッカーに関しては、ワールドカップが再び埼玉に来るのと同じくらいのインパクトがある。これを埼玉の経済効果として取り組むにあたってネックになってくるのは、ホテルの客室数だ。サッカーの競技会場になる札幌、宮城、横浜の各都市は5つ星ホテルでそれぞれ400−500の客室提供を保証できるのに、さいたま市はパレスホテル大宮で80のみ。4つ星ホテルまで含めると3都市が900−600部屋提供するのに対し、さいたま市は227部屋である。競技を見にきた観客がそのまま東京に戻ってしまっては意味が無い。
従って、さいたま市は大宮駅周辺を筆頭に再開発をすすめ、7年後のオリンピック開催時にオープンが間に合うよう、シティホテル誘致を早急に行うべきである。2020年のオリンピックには短期的に850万人の来訪者が試算されている。2014度開業の東北縦貫線によって、オリンピックのメイン会場である東京ベイゾーンのアクセスも格段に向上するので、海外からの観光客だけでなく、東北、北陸地方からの国内観光客にも魅力のある宿泊エリアになろう。またその後についてもインフラ整備によって、中央環状線開通による羽田空港へのアクセス改善、圏央道を通じた成田空港、茨城空港へのアクセス改善と、埼玉県にとっては首都圏3空港の利便性が格段向上される。
今回の招致決定によりこれからの7年間で環境は大幅に改善されるのだから、埼玉の未来のためにこの機会を最大限に活かさなければならない。同時に今から、オリンピック後をみすえた恒久的に人を呼べるソフトの準備を始めなければならない。
(林 智守)
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