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「コンテンツマーケティング」という言葉をご存知であろうか。簡単に言うと企業が消費者に対してコンテンツ(編集された情報)を提供しながらコミュニケーションを図る、アメリカで浸透しつつあるマーケティング手法である。伝統的なマーケティングでは、企業は自社の商品の良さをいかに消費者に伝えるかということに重点がおかれていたので、直接的なアピールをせず、購買意欲を刺激するというところが特徴であろうか。モノや情報があふれている現代、一方的に情報を送るスタイルのコミュニケーションでは消費者のこころは動かない。そこで顧客が必要とする情報を適切なコンテンツ(編集された情報)として提供することで、購買する理由を消費者にあたえるのだ。
さらにその情報に本当に価値があると消費者が認めた時、パソコンに加え、スマートフォン、タブレットといった端末とフェイスブック、ツイッターというソーシャルメディアによって、口コミで周囲に広がっていく。具体的には食品メーカーの自社商品を使ったレシピや、ペットフードメーカーがペット愛好家向けにコミュニティサイトを提供する事例などがある。
アメリカではビジネスに限らず、政治にも活用され始めている。自分と同じ政治スタンスの人がみつかるサービス、ツイッターベースで嘆願書への支持を求めるサービス、候補者の政策が自分の家計にどのような影響を与えるかを試算できるサービスなどが登場していて面白い。政治家の情報発信というと、自分の立場を説明するスタンスで主張を述べるに陥りがちであるが、有権者の目線でコミュニケーションをとるというちょっとしたマーケティング視点によって、政治家本人がもっと受け入れられるようになるのではないか。
ところでコンテンツマーケティングを進める上で、陥りやすい課題の一つに
情報伝達経路が多岐に渡り、管理が煩雑になってしまうことである。アメリカのマーケターは電子メール、ブログ、ソーシャルメディアから印刷物やイベントなど平均16の経路を管理している。日々のことを考えると相当な手間になるであろう。あるスペシャリストによると、これを解決するためには1つの情報伝達経路を選択し、育て、それに集中することだそうだ。
そういえば、橋下徹大阪市長もツイッターに集中して情報発信をしている。良い悪いは抜きにして、だから影響力があるのかもしれない。「ブログもツイッターもフェイスブックもやっています」と自慢されている政治家の方々は器用貧乏に陥らないように気をつけたほうがいいかもしれない。
(林 智守)
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