トップページ ≫ 社会 ≫ 高校日本史教科書採択の再審査を求める決議
社会
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本年八月、県教育委員会が実教出版の高等学校日本史教科書の使用を採択したことをめぐって、県議会文教常任委員会は採択のやり直しを決議し、清水松代教育委員長が突然辞任した。後継に千葉照実氏が就任したが県議会9月定例会での再審査を求める決議に対して「決議を重く受け止め、もう一度精査するが、採択そのものを撤回することは難しい」と表明していた。その後10月15日の県教育委員会臨時会で全委員一致で再審査しないことを確認し、二度の決議にもかかわらず実教出版の高校日本史教科書を選択した高校は採用が決定し、千葉委員長は「実教出版以外でも記述に懸念のある採択済みの教科書はある。教員が資料集を使いこなして授業ができるかが肝心」と述べ、県教育局に学校現場への支援を求めていくとした。
歴史教科書に限らず、他の教科書についても、教育現場の教師の代表が新たな教科書採択を決定し、教育委員会がそれを追認するというシステムそのものに問題があると指摘しなければならない。膨大な種類の歴史教科書のすべてを短期間に教育委員会のメンバー全員が目を通すことなど物理的にできるわけがない。であるからこそ追認という形になるのだろう。
県議会は「採択が県教委の権限と責任で主体的に行われず瑕疵がある」と再審査を決議したが、追認が瑕疵に当たるとすればどのように対処すればよいのか。教科書は文科省の教科用図書検定をクリアーしたものが、それぞれの区域の事情も加味されて採択される。教科書作成会社の営業マンも教科書の採択に影響力のある人物を探し出して営業活動を繰り広げる。一度採択されるとよほどのことがない限り継続して採択される傾向にあるようだが、教科書が無償化された昭和37年以来半世紀余り続いてきたこの制度も見直しが必要な時期に来ているかもしれない。現状では教科書決定の最高責任者である教育委員会ならびに教育委員長には特段の自覚を求めるしかない。
いずれにせよ日本人として誇りの持てる歴史教育は特に青年期には必要不可欠であって、南京大虐殺・従軍慰安婦等々、歪曲され誇張された教科書の悪影響は計り知れないものがある。戦後の歴史教科書会社は、外国のプロパガンダに犯された思想で教科書をつくり、文科省の検定をも通り抜けた。かつ現場の教員は好みに応じて採択し未来を担う子どもたちに自虐史観を押しつけてきた。という傾聴に値する意見も多数ある。
近年、歴史の見直しの必要性が主張されるようになって、敏感な県議会議員たちの投じた一石の波紋の意義は大きい。
(宮内 和樹)
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