社会
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野球シーズンもいよいよクライマックス、読売ジャイアンツと楽天イーグルスが日本一を賭けて日本シリーズを戦っている。パ・リーグ初制覇の楽天なので仙台は盛り上がっているようだが、東京はと言うと、この新鮮なカードにもかかわらず、狂のつくジャイアンツファン以外は結構さめているのである。これは盟主を自認し長年プロ野球に君臨してきた親会社の常軌を逸した言動の積み重ねに、ON時代から熱心に巨人を応援してきた高年齢層のファンたちがたまりかね逃げ出してしまったからである。
つい先日、旧友達と車で出かける機会があった。久しぶりでもあるし先ずは差し障りのない話題からと思い「ジャイアンツが優勝してよかったね」と振ったら、猛烈な反発があって「巨人の試合はイライラするからもう見てない。野球ならメジャーの方がずっと面白いよ。あんなバカ野球なんか見てられない」、さらに「選手の起用法に永続性が無くて自前の若手を育成しようとしていない」とこき下ろした。併せて、もう一人が「他所から来た選手ばかりで、生え抜きの選手を使わないから面白くない。それで負けてんじゃ応援する気にならない。ファンの気持ちをちっとも汲まないから腹が立って愛想尽かした」とぶちまけた。ならばと、二人のジャイアンツ狂に遠慮していた私も普段から感じている事を話した。つまり、大震災で電力が極端に不足していた中を強引にナイターを開催しようとする球団幹部に心からの怒りを覚えた事。下町の中小企業ならいざ知らず天下の、しかも常々天下のオピニオンリーダーを喧伝している大新聞社が、何故こんなにも社会性が無いのか開いた口が塞がらなかった事。ファンはそれこそ日本中の津々浦々にまで達し、それぞれの生活の中で大きなウェイトを占めている国民的娯楽であるのに、プロ野球を運営している側の実体は営利を目的とした企業エゴだった事をさらけ出し、まったくお粗末だと痛感した事などである。学生時代は三人で学校近くの後楽園球場に通ったもので、それは、それは、熱い長嶋ファンであった。だから当然ジャイアンツの信奉者でもあった三人であるが、今ではまったくのアンチジャイアンツとなっていた。
巨人のセ・リーグ優勝は選手の年俸や金に糸目をつけない補強で圧倒的な戦力を持っていたので当然であろう。そんなに糠喜びするほどでは無いと思うのだが、一般とは多少のズレを感じさせる監督に率いられているせいか、楽に勝てる試合をも、その独自な采配によってぶち壊して苦戦するケースが目立っていてファンも結構ヤキモキさせられていたが、ともかくセ・リーグのチャンピオンになった。しかしながら、原監督に対する風当たりは相当キツイのである。東海大相模の頃より有名選手として優遇され続け、甲子園では鹿児島実業の定岡投手にきりきり舞いさせられたのだが、父親の原貢氏ともども発足したばかりの首都大学リーグでの目玉選手として東海大学から格別の待遇で迎えられ、その後の野球人生はご存知の通り、すべからく順調であった。苦労をしていないのである。厳しい練習は耐えただろうが、レギュラー競争、進路の選択など、さらには経済的なプレッシャーなどとは無縁だったのである。関西に囲っていた浮気相手の彼女をバラされた「清武の乱」ではかなり動揺していたが、人の噂も何とやらで、今では何事もなかったかのように構えているが、小心者ゆえに心中は再燃を恐れる気持ちでいっぱいであろう。一億円からの金を恐喝相手に渡しておいて、相手は暴力団関係者では無いから問題ないと言い逃れただけで、その後、一切の説明をしていない認識の甘さにはあきれるばかりである。果たして、この人がプロ野球の監督に相応しいかは大変疑問である。メジャーリーグとプロ野球との最大の格差はここにあると思う。メジャーではどのチームの監督もそれなりの見識を持ち、何よりも人間的な魅力に溢れているのがインタビューを聞いただけでも判ってくる。何よりも選手や家族、そしてファンたちを大切にしているのである。誰よりも野球を愛し、よりよき社会の一員たれと自覚しているのだ。聖人君子ではプロ野球の監督は勤まらないだろうが、せめて人の道にだけは外れないで欲しいと願っているが、この日本シリーズでは果たしてどんなドラマが展開するのだろうか。
(仁 清)
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