トップページ ≫ 社会 ≫ 深谷市花園IC開発拠点構想-県北観光の振興に期待
社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
訪日観光客を2003年から10年で1000万人にするという政府の「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の成功や2020年東京オリンピックの開催が決定し、観光産業が脚光を浴び始めた。
埼玉県でも昨年度から5年間の施策展開の指針となる「埼玉県観光づくり基本計画」を策定し年間50万人の観光客数の増加と観光消費額の増加を目指している。
観光産業のすそ野は広く、観光客の増加は、飲食業、小売業へ波及するため地域に雇用機会を生み出す。
観光が新たな地域経済の柱となることが期待される中で注目したいのが深谷市(小島進市長)の取り組みである。
9月6日深谷市は、観光と農業を主軸とする経済活性化を目的に関越自動車道花園インターチェンジ付近でアウトレットモールと農業・観光振興施設を2つの柱とする開発拠点構想を進めていることを明らかにした。
拠点内に秩父鉄道の新駅を設置する構想もあり、年内にも国や県と協議に入る。
市は5年後の開業を目指し年間650万人の集客と1,500人の雇用の増加を見込んでいる。
大規模商業施設の誘致で心配されるのは地元商業、農業の顧客を奪ってしまうことだが、現在の深谷市には、アウトレットモールがきっかけの観光客にも十分満足してもらえる物産品の提供と市街地に足を運ばせる魅力がある。
市は数年前からイメージキャラクター「ふっかちゃん」を活用して特産品やイベント等のPRを積極的に行っている。かわいらしいキャラクターがPRすることで伝統的な農産品に新しい価値を与え「深谷ねぎ」「煮ぼうとう」「深谷牛」のブランド化に成功した。
中心市街地においては、深谷商工会議所を窓口とする深谷TMOが主となって活性化に努めている。
酒造を利用した深谷シネマや屋台村「ふっかちゃん横丁」等を運営しイベントを定期的に行うことで市内だけでなく、近隣の市町からの来街者が集まっている。
深谷市の成功の理由は、ブランドや人材を外部に求めるのではなく徹底して地域のヒト・モノを活用していることだ。
市は、イメージキャラクターを作り、ぬいぐるみやイベントカーまで貸与するが、実際にそれを使って店舗を運営し、イベントを行うのはあくまで市民だ。
販売するものは、農産物や花等従来からの特産品であり伝統の強さがある。
また、深谷シネマは、酒造の再活用であり、ふっかちゃん横丁は区画整理事業の一角の活用である。
二宮尊徳の言葉に「荒地を開くには、荒地の力を以ってする」とある。
深谷市のまちおこしは、まさに「地域の力を使って地域を開いた」ものである。
そしてこれは、観光フロンティアである埼玉県の観光に求められる姿勢だと考える。
花園IC開発拠点構想について、さらに望むことはI.Cで下車した観光客が深谷市だけでなく、県北の他の観光地にも足を伸ばすことだ。
花園インターからは北部の中心都市熊谷市埼玉県有数の観光地である秩父地域へのアクセスが容易だ。
「地域の魅力を掘り下げて、地域の名物をつくり、地域の人材がおもてなしをする」
このことをさらに徹底することで県北の観光が振興することを大いに期待したい。
(三津橋真也)
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