トップページ ≫ 社会 ≫ マムシに噛み付かれても痛くなかった!
社会
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先日の朝、さいたま市中央区の本町通りにマムシが出現した! といっても本物の蛇ではなく、ご存じ毒蝮三太夫というタレントだ。TBSラジオの長寿番組『大沢悠里のゆうゆうワイド』の名物コーナー『ミュージックプレゼント』を丸44年間も担当している。こちらのほうが『ゆうゆうワイド』本体よりもずっと長寿で、蝮さんも今や77歳に。
各地のお店や会社、施設を訪ね、そこに集まった人々との飾り気のない会話、特にお年寄り相手に遠慮なく飛び出す蝮流毒舌とギャグが売り物だ。タイトルにあるミュージックのほうが添え物になった感じさえする。
今回の訪問先は中央区本町2丁目の「カフェギャラリー南風 蔵の家」だ。実はここの店主は我が家人のため、私まで引っ張り出されることになった。毒舌とからかいの標的になるだろうが、ラジオだから顔が出ないから「ま、いいか」と覚悟を決めた。
10時半の放送開始の前に向かい側のそば店で打ち合わせをした。蝮さんが若い頃に本名の石井伊吉でレギュラー出演していた『ウルトラマン』(TBS系)が話題になり、場はなごんだ。作者の金城哲夫氏(故人)の妹が有名な染織家で、家人とは高校以来の友人という縁もあった。
時間前に店に戻ると、いつもの何倍ものお客が待機していた。拍手の中を彼が登場し、さっそく私たちとのトークが始まった。先程までの調子とは打って変わり、テンションとテンポは急上昇、毒舌も堰を切ったように出てくる。こちらは笑いのネタにされっぱなしだ。店内には車いすの人や100歳のおばあちゃんもいたが、この人たちとの掛け合いも絶妙だった。
途中から店内の人数がさらに増えた。ラジオを聴いた近所の人たちがかけつけたのだ。超満員となり、秋だというのに、クーラーをフル稼働しても暑く、蝮さんのアシスタントは主役殿の汗を拭いたり風を送ったり。お世辞にも人通りが多いとはいいにくい本町通りだが、ここだけは中高年主体の異常な熱気にあふれていた。
口は悪いが、蝮さんには老人たちを励ます精神があふれているので笑って聞き流せる。行く先々で巣鴨地蔵通りみたいなにぎわいをもたらす。44年も続く番組だけに、その辺の手際はまさに名人芸だ。
この日は放送終了後も、みんなに老後とか高齢化社会の問題についてレクチャーし、頼まれた色紙を1枚1枚ていねいに仕上げ、滞在は午後1時頃までになった。「赤坂(事務所の所在地)にもこういう店があればいいのに」という一言は店主に対する最高のねぎらいだった。
(山田洋)
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