トップページ ≫ 社会 ≫ 神戸市長選、川崎市長選の結果からみえるもの
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10月27日投開票のあった二つの政令指定都市、神戸市と川崎市の市長選の結果が波紋を呼んでいる。両市とも現職が引退したあとの新人同士の争いで、現職の後継者と目されている候補は自公民の相乗りで総務省出身、さらに有力な対立候補は両者とも前回も出馬して次点に終わっているというあまりにも似た構図だ。
選挙結果としては、神戸市は後継者、川崎市は対立候補が当選と明暗を分けたが神戸は5,600票(得票率にして1.3ポイント)差と大接戦。川崎も当初与野党相乗りの後継者優勢と言われる中での対立候補の逆転勝利であった。
神戸市では4代64年間にわたり助役、副市長経験者が市長を務めており、今回市長に当選した久元氏も総務省の局長から昨年11月に副市長に転身し、当時の矢田市長から後継指名を受けていた。5月の立候補表明以来、「安倍政権との太いパイプで、神戸を安定した成長軌道に乗せる」とアピールをしてきた。
一方川崎市では、自民党市議団は地元から候補者を出そうと試みたが、市長に押し切られる形で川崎市の財務局長を務めた経験を持つ総務省のキャリア官僚が自民党の推薦候補に選ばれ、公明党、民主党が相乗りした。しかし、出馬表明が遅れて知名度があがらなかったことが響いたようだ。
両市とも3党相乗り候補が優勢という情勢分析の中、予想外の結果になったわけだが、自民党や公明党では与野党相乗りに対する反省の弁が聞かれる一方、3党以外のほかの野党からは「官僚出身者を相乗りで支援したことが有権者の批判を招いたのではないか」(NHKニュース)という声もでた。
相乗りに対する批判よりも官僚出身者に対する批判のほうが的を射ていると思われるが、さらに踏み込んでみると有権者は官僚出身者をはじめとする国とのパイプを誇るというスタイルに嫌気がさしたのではないだろうか。いやしくも政令指定都市である。国からお金を引っ張ってきますではなく、その都市をいかに魅力ある街にするかその都市の人間で考えていくべきだという民意の表れではないか。
埼玉県でも、今年5月のさいたま市長選において清水市長の有力対立候補は県会議員であったが、自民党公認として財務省とのパイプを売りにしたが大差で敗北した。また同じこの週末投開票のあった越谷市長選でも、中核市移行という独自発展路線を掲げる現職に大差でまけた自民推薦の前県議も中央とのパイプをアピールしていた。自民党をはじめとする各政党は首長選での与野党相乗りを見直す前に、都市圏の住民の意識変化に気付きその都市にあった候補者を推薦するべきだ。
(林 智守)
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