トップページ ≫ 社会 ≫ さいたまクリテリウムに続け~SAITAMAを世界に発信する盆栽大会に
社会
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10月26日に開催された「さいたまクリテリウム by ツールドフランス」は直前の台風にも関わらず、レース開催時には雨も止み20万人が集まり成功に終わった。開催準備や地元への浸透など来年に向けての課題はあるが、ツールドフランスのブランドとともに「SAITAMA」が発信できたのは大きい成果であろう。東京(TOKYO)というメガロポリスに含まれてなかなか首都圏の大都市は独自のブランドを発しにくい中、画期的な取り組みだった。
さて、今年の9月に2017年の世界盆栽大会のさいたま市への招致がきまった。世界盆栽大会は1989年に第1回が大宮市(現さいたま市)で開催されて、再び8回目にさいたま市に戻ってくることになった。その間、下表のようにアジアだけでなく、欧州や米国でも開催されている大会である。
世界盆栽大会開催都市
開催都市 | 国 | |
第1回 | 大宮(現さいたま) | 日本 |
第2回 | ニューオーリンズ | 米国 |
第3回 | ソウル | 韓国 |
第4回 | ミュンヘン | ドイツ |
第5回 | ワシントンD.C. | 米国 |
第6回 | サンファン | プエルトリコ |
第7回 | 金壇 | 中国 |
盆栽はそもそも中国の盆景が平安時代に日本に入ってきたものがルーツだといわれている。1990年代以降海外でも注目を集め、緑のアートとして若年層にも再び脚光を浴びるようになった。日本の盆栽の海外輸出は近年急速に伸びており、日本貿易振興機構(JETRO)によると、盆栽と庭木を合わせた輸出額は、2001年に約6億4千万円だったが2012年には約81億円と13倍近くも大幅に伸びている。主な輸出先は中国、イタリア、オランダ、スペイン、米国などで、アジアや欧米を中心に「BONSAI」として定着している。
大宮の盆栽村は、関東大震災をきっかけに東京の盆栽業者が広く良質な土地を求めて移ってきたのが成り立ちである。盆栽村でもかつて欧州に輸出を行っていたが、その後欧州へ売る仲介業者との関係が途絶え、輸出がなくなった。しかし、近年の特に欧州における「BONSAIブーム」を背景に、この秋からさいたま市内の五つの盆栽園が輸出を本格再開するそうだ。さいたま市の盆栽は1鉢10万円以上の中高級品を中心に、2016年には年間5億円の輸出を見込んでいる。
現在の「BONSAIブーム」を引っ張っているのは松の盆栽で知られる高松市で、2011年にアジア太平洋盆栽・水石大会も開催し、盆栽の輸出に積極的に取り組んでいる。2020年の東京オリンピック招致を核に経済が動き始めたように、2017年の世界盆栽大会招致決定を核に、「SAITAMA」の発信がスタートしてもらいたい。これからクールジャパンの一環として盆栽の輸出を強化し、特に「BONSAI」の高級ブランドとして「SAITAMA」を浸透させることに挑戦するのはいかがか。「BONSAI」には単なる農産品としてではなく、アートとしての可能性もある。若者向けの市場開拓や国内外問わず盆栽職人の育成を通じて「SAITAMA」にアートのイメージを持たせることによって、選ばれる街に近づくのではないだろうか。
(林 智守)
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