トップページ ≫ 社会 ≫ 県議会に宿る秘密 ―摩訶不思議な世界―
社会
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埼玉県議会平成25年12月定例会の一般質問が12月6日午前10時から始まった。今定例会は去る12月2日に開会され、初日に知事提出議案の報告と上程がなされたのを踏まえての一般質問である。
最初に質問に立ったのは荒川岩雄議員(自民)だ。弁護士という側面を持ち、社会弱者に対する県の姿勢と取り組みに関する内容を柱とした質問構成であろうか。
質問の切り口では、振り込め詐欺や食材偽装といったことから弱者を守り社会の悪を根絶したいという強い思いが感じられた。そして雇用対策、障害者支援についても触れた。
また自らの年齢を顧みながら、高齢者の健康維持管理、介護予防に関する質問では「健康長寿埼玉プロジェクト」と介護予防事業について高額な事業予算のあり方を正す一方で、さいたま市の長寿応援制度の報奨金を例に挙げるなど独自の提案を持たない内容に精彩を欠いたのも否めない。2番手には田並尚明議員(民主・無所属)、3番目には安藤友貴議員(公明)と続いた。
「議長~!休憩願いま~す!」午前10時に開会されたばかりだが、一人目の質問者が終了した11時10分過ぎ、議場内のある議員から発せられたこの言葉で、議長が休憩宣言をした。本会議再開は午後1時からという。午後1時から再開された審議だが、二人目の質問者が1時間超で終わるとまた約1時間の休憩。3時から再開され三人目も約1時間。本日の会議は午後4時過ぎに終了となった。審議事項に不備、誤りがあってはならないし慎重な議論が展開されなくてはならない。しかし一般企業とはあまりにもかけ離れたのんびりムードではないのだろうか。質問事項は質問者から事前に県執行部へ通告されている。質問内容には迅速、正確に回答しなければならない。円滑な議事進行が行われることも重要である。定例会は一般質問が翌週12月9、10、11、12日と続き、一日3名ずつ計15名の議員が質問に立つ予定である。一般質問の後、議会委員会で付託議案の審議がなされ、12月20日に報告、質疑、討論の後採決となり閉会する運びだ。
折しも国会では「特定秘密保護法案」で連日の深夜、未明会議が開かれていた。議会の種類は違っていても、政治に真剣に取り組む必死な姿勢はどこに行ってしまったのだろうか。選挙を戦っていた時分の必死な姿とは違って映る。権力の構造に浸かってしまった悪しき慣例なのだろうか。過去何十年と繰り返されてきたのだろうか。間の抜けた休憩動議がむなしく議場に響く。議会改革を訴えて当選した議員もいた筈だ。スピーディで活力ある議論がなされる議会であって欲しい。議会もまた経営である。新しいビジネス感覚を兼ね備えた風を吹き込む時期なのかもしれない。
寝食を忘れ、県民のために勉強と努力を重ねて県下を駆け回る力強い議員が、各地域の住民の良識な判断で誕生し、秘密の無い開かれた議会、迅速な議会が構成されることを願ってやまない。
(白坂 健生)
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