社会
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12月18日にスタートした江田憲司衆議院議員率いる「結いの党」。ある新聞による世論調査によると政党支持率は1%、「期待しない」と回答した人は70%だった。筆者は「結」という言葉に違和感を覚える。それは触媒という意味に通じるが、自らではなく他の動きに期待をする「他力本願」さを感じるからだ。それはさておき、なぜ新党は生まれては消え、国民に浸透しないのであろう。
政党とは何か考えてみたい。よく新党が結成されるとき使われるフレーズは「理念と政策の一致」だ。その結果、どんどん小さな集団に分裂していく姿は皮肉だ。「理念と政策」というのは個性と同じで一致することが希有なものなのかといぶかりたくなる。
「保守主義の父」として知られる英国の政治学者、エドマンド・バークは政党を「政党とは、ある特定の主義または原則において一致している人々が,(中略)国民的利益を増進せんがために協力すべく結合した団体である」と定義している。筆者なりに解釈すると、主義主張を共有することは前提で、それ以上に、国民がもとめる利益を実現するために議会で協力する集団が政党だ。
しかし、政党助成金制度が新党と国民を切り離していることは間違いない。本来、国民の要望で産まれるはずの政党が、5人以上の国会議員があつまることで助成金がもらえる政党になるため、国民との断絶がおこり、地方組織も育たない永田町限定の政党になっている。
だが、現在の自公の与党一強多弱の国会は、このたびの特定秘密保持法案にもみられたように危うさを感じる。現在の巨大与党に対する対抗軸を打ち立てて、健全な野党を結集する必要があるが、それを阻んでいるのはずばり人間力だ。先の衆院選前の維新とみんなの合同がうまくいかなかったのも、両党の代表の人間的な好悪が理由だったことは衆知である。無い物ねだりなのかもしれないが、わが国の議会政治のために野党をまとめられる包容力のある政治家が今最も求められている。
(林 智守)
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