社会
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グルメと言うとほとんどの人が関心を示すらしく、テレビは「美味しさ」を求める番組で花盛りである。まあ、平和的な光景ではあるのだが、なにか、ちょっと行過ぎじゃないかと感じてしまうのは歳のせいなのだろうか。流される情報に翻弄されるあまり誰もが自身の健康そっちのけにしてグルメに驀進してしまっているが困った現象である。欲求の赴くままに、ただ、ただ、美食を重ねた先に待っている結末は想定しただけでも怖い限りである。それは、単なる肥満に留まらず糖尿病、通風、高血圧などへ直結するのは常識であるのだが、誰もが聖人君子とは限らないので美味しいものへの誘惑を断ち切るのは結構大変なのである。視聴率第一のテレビ局は煽るだけ煽っても対極を成す粗食と健康ライフに関する番組などはゴールデンタイムにはけっして流さない。美味も人生の至福のひとつであろうが、グルメ一直線的だと必ず反動があると思ったほうがいい。食事は健康の源である。誰もが生きている限り摂取し続けるのだから、あまり無理をせずに実践できる健康食がベターである。そこで、ここに蕎麦をお勧めしたいと思う。いまや街中から蕎麦屋が消えようとしている。昔からあったお店がいつのまにか無くなってしまっている。昼食と言えばかってはそば屋さんだった。市街地にある中小企業にとって、少ない注文でも出前してくれる便利な存在であったのだが、この昼食の王道だった蕎麦屋が、コンビニやファーストフードに押されて消えてしまった。ここで食べた蕎麦ばかりでなく懐かしいカツ丼、天丼への郷愁なのだろうか、何故かとっても寂しい気持ちになってしまう。この蕎麦なのだが、サラリーマンにとっては健康維持への役割を果たしていたように思う。ちょっと飲みすぎた翌日とか、なんか胃が重いなどと言う時の昼食はきまって蕎麦であった。さほど意識はしていなかったものの蕎麦の健康効果は驚くほどに高いものがあるのだ。先ず植物繊維が豊富なので脂肪の吸収を抑えコレステロールを改善してくれる。便通も良くなるので体調維持に役立つ。また、カリウムは摂取した分だけ体内の塩分を排出する。さらに、含まれるルチンが血管の弾力を保ち、高血圧や脳梗塞を予防する等、まさに健康食のチャンピョンなのである。蕎麦が健康に良いことは江戸時代から知られ、元禄10年発行の「本朝食鑑」に詳しく記載されている程である。血圧高めの人は、是非、一度試してみるといい、ともかく即効性がある。韃靼蕎麦ならたいていの人が一度で効果が実感出来る筈である。街中から消えた蕎麦屋だがバイパスにはチェーン店があるし、郊外には小洒落た蕎麦屋が点在しているのだが、それぞれが隠れ家的で見つけるのに一苦労である。限られたひいき客に支持されているようであるが、蕎麦と言う食べ物は食味が極めて不安定で、同じ人が作る蕎麦でも、打つたびに毎回味が違ってしまうくらい難しいものである。また、何処の産地で栽培したか、何処の生産者が栽培したかによって味が変わり、その年の気候や播種時期、収穫時期などによっても違ってくる。さらに、収穫や乾燥の方法、製粉の違いによる味の差は大きなもので、最終的にそれを打って仕上げる蕎麦職人の技術や考え方で、そばの味は、まったく違ったものになり、その辺が蕎麦の難しさであり、面白いところでもあるのだ。蕎麦は奥が深いと言われる所以であろう。だが、要は健康問題であるのだから、なにも蕎麦屋に足を運ばずともいいのである。スーパーにある生麺や乾麺であっても蕎麦粉の含有量の多い物を家庭で日常的に食せばいいのだ。市販の麺つゆを上手に工夫するだけでも、結構美味しく食べられると思う。グルメする一方で、こんな工夫もしてみる。こんな細かな積み重ねが健康ライフを作り上げてゆくと思っている。平成24年度にスタートした「蕎麦鑑定士」認定制度は、平成25年2月に東京と京都で認定試験を実施し、初めての蕎麦鑑定士が誕生しているが、難しく蕎麦グルメを語るより、我が国独自の健康食を積極的に食生活に取り入れる方がよっぽどスマートで中味のある事なのだと思うのだが。
( 仁 清 )
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