トップページ ≫ 社会 ≫ [川口市長選挙] 川口自民党への鎮魂歌になる選挙戦を
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市長の死去がパンドラの箱を開けた。岡村幸四郎市長の急逝に伴う新人4人が立候補した川口市長選挙は、自民党前県会議員2名が立候補する分裂選挙の様相を見せている。片方の候補には自民党県連会長の新藤総務大臣がつき、もう一方には岡村市長の未亡人が出陣式に駆けつけた。一枚岩と言われた川口自民党とはいえ、永瀬前市長と岡村市長の系列で潜在的な対立でもあったのであろうか。(新藤大臣の実弟は永瀬前市長の養子となり現在川口市議)。
今回の市長選の大きな争点は市庁舎移転問題である。老朽化した市庁舎の建て替えに関して、審議会の答申であったSKIPシティへの移転に対し、市議会は現在地での建て替えを議決。最終的に岡村市長は市議会の議決をとった。苦渋の決断だったといまとなっては推察される。(参照:「対立する川口市庁舎移転先」http://www.qualitysaitama.com/?p=26774 )審議会の答申は非常によくできており、SKIPシティへの移転を、川口の都市開発を西川口駅から川口駅・川口元郷駅に至る旧市街地の都市再生か新都心拠点形成かの比較し、将来的な視点で考えている。付け加えると現在川口駅には川口駅前行政センターがあり、通常の行政手続きは駅前で済むのだ。
昨年5月に行われた川口市長選は投開票日がさいたま市長選と重なり、当時岡村市長が掲げた5期目の課題も1)老朽化した市庁舎の建て替え、2)18年の開校を目指す市立3高校の統廃合計画 3)60年近く懸案事項となっていた火葬場の建設を含む赤山自然公園の整備とハード面によった地味なものだったこともあり、メディアの注目を浴びることがなかった。今回も都知事選と同日なものの、埼玉県内有数の都市の市長選ということもあり地域メディアの関心も高い。だからこそ今回の大きな争点である市庁舎問題も単なる建設場所の議論でなく、県内第2の人口を誇る58万都市川口市の将来に向けた発展について議論が深まることを望みたい。今回自民党を割って出馬した前県議には岡村市長の未亡人のほか、民主党県議、みんなの党前県議も支援にはいり党派入り乱れての様相であるが、かたや安行領根岸出身ということもあり地域対立の様相も見受けられる。
鳩ケ谷市と合併したことにより新しい川口の重心はSKIPシティから鳩ケ谷駅に至るエリアに移った。この川口の拡張が川口自民党を分裂させた引き金になったととらえると皮肉な話であるが、結果的にはその歴史的役目を終えたといえる。今後新しい市長によっては蕨、戸田、草加など周辺都市との合併による政令指定都市の可能性もでてくる。前回の市長選の投票率は過去最低の29.2%。いまだに川口市の転入数は多い。川口自民党に代表される昔からの住民、ベッドタウンとして移り住んできた新住民、双方にとって誇るべき街にするきっかけにこの市長選がなるとしたら、川口自民党にとっての鎮魂歌になるのではないだろうか。
(林 智守)
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