トップページ ≫ 社会 ≫ 都民の意識は驚くほどハイレベルだった
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都知事選は予想以上の大差がついて落ち着いたが、意外に思ったのは投票率の高さである。四十年ぶりの大雪に見舞われ、かなり足下の悪い中で46.14%もの有権者が寒い中を投票所に行ったわけである。
同日の川口市長選が27.48パーセントだった事と比べると、この数値がいかに高いかが判ると思う。都民の意識がいかにハイレベルであるかを証明した形となっている。川口市の場合は市役所移転問題で争点がハッキリしていた上に保守層が真っ二つに割れて有力二県議が激しく競う選挙であったのにも拘わらず投票率は市長選史上最低を記録している。これは厳しい自然現象の影響をモロに受けただけで、天気さえ良ければ、もっともっと高い投票率が記録されただろう。
都知事選の開票速報では概して投票率が低かったと伝えるだけで分析をしていなかった。しかし、この天候を併せ考えると、けっしてそうは思わない。その根拠として同日他選挙の投票率との比較に加えて、次の点も見逃せないと思うからである。
都知事選の投票率は希に見る悪天候の中で行われたにも関わらず史上最低を記録する事なく、史上三番目の低さに留まった事にある。選挙は天候によって大きく左右される。これはいかなる選挙においても常識なのである。そんな極悪の条件の中にあっても川口のような史上最低投票率を記録しなかったのだから、いかに投票した都民の意識が高かったのかが良く判るのである。
選挙結果だが有力四陣営の得票数には大変興味ものがある。舛添新知事には自民、公明に連合という共産を除く組織選の当事者能力「四大勢力」の内の三つもが支援するという体制が機能していたようだ。盛り上がりに欠ける選挙だったが、それ故に地味な浸透作戦がジワジワと拡大でき、これが効を奏したようである。
さらに、時期的に冬季オリンピックと重なって知事選があまりマスコミに取り上げられなかった事が幸いしたようだ。いつもは芸能ニュースと同じレベルで選挙を面白おかしく取り上げて騒ぎ立てるマスコミが今回はどうした訳か静観し続けた結果がこの数値なのである。
つまり、有権者は周辺から聞こえてくる雑音に惑わされること無く、それぞれの思いを自分なりに纏めて総合的な視点で候補者を選べた選挙の結果なのである。だから各候補の得票は正直に有権者達の気持ちを反映していたように思う。宇都宮氏の人柄が付け焼刃の政策を見抜かれた細川・小泉連合よりも評価され、また、田母神氏の好漢ぶりにもそれなりの評価があった訳である。
舛添氏の当選を、いいとか悪いとか議論するのはナンセンスである。公選法のルールによって言わばキチンとした手順を踏んで選ばれている以上、何人と謂えども結果を受け入れざるを得ないのが民主主義である。自分の意に沿わない結果に終わったのなら、今後の都政に引き続き関心を寄せて厳しくチェックするように切り替える、こうした繰り返しの中で国民は熟成し国家社会もさらに安定してゆくのだと考えているのだが。
( 仁 清 )
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