社会
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節分の豆まきが過ぎ、暦の上で季節も変わり目のはずが一転。2月8日の日本列島は16年ぶりの大雪となった。翌朝、近所同士が互いに声を掛け合いながらの雪かき風景には人とのつながりもまだまだ捨てたものではないなと、雪かきをしながらほっとした。さいたま市浦和区周辺の雪は大きな通りではほぼ無くなり、大きな事故や渋滞も無かった。日の当たらない部分や、裏の小道には凍結した部分も残り、足元ばかりを気にしながら駅からの家路を歩いていた。ふと、独特な甘酸っぱいような香りに足を止め、香りのする上を見上げると個人宅から外へと枝を伸ばし白い花を沢山つけた、香りの広がりが目に映った。満開に近い梅の花だ。冷たい空気が街全体を包み込む中に、季節の変わりを目の当たりにした。
季節を分ける節分の日に災いを振り払い、新しい季節を迎える。過去を見つめ過去に学び、過去に感謝して新しい季節を進んでいく。人に学び人に教えられ人に感謝して1年を過ごし出す。このようにして日々歴史が刻まれていく時間の中で繰り返し花は咲き実を結び、喜びをもたらしてくれる。声を掛け合いながら雪かきをする人と人とのふれあい、つながりがまちの原点なのだろう。
まちづくり。地域住民の日常に地方自治体の果たす役割は大きい。埼玉各地でも地域自治体の選挙が続く。互いに舌戦を繰り広げ、自らが正しくて時には相手を非難する。敵だ、味方だ、戦いだとにらみ合う。現職市長急逝による埼玉県内都市部の政党分裂選挙で、当選後に「相手候補の応援した人とも分け隔てなく接し、党の分裂状態はつくらない」と語っていた人物が、政党の推薦を受け当選した他市長が相手候補を応援したことに「政党県連に処分を求めたい」と発言。民意で当選された代表者は公僕の立場であり、政党やイデオロギーなどに左右される事があってはならないのではないか。たとえ選挙という戦いであっても、それぞれの候補者たちのわがまちを良くしたいと願う気持ちは同じはずだ。戦いを終え、民意に判断されたのであれば節度をもって分けあう。相手を敬い相手に協力する姿勢を持ってこれからを臨んでいくべきだ。心情的なことを乗り越えて、市長として目線は常に市民を向いていて欲しいと願う。地域間、政党内の揉め事に疲れ果てた政治も悲しい。投票率の低さは大雪のせいだけではないだろう。
街を包んだ重たい空気を雪かきのように払いのけて、一日も早く優雅な梅のような香りで包まれていくまちづくりとなって欲しいと願う。
バレンタインデーに朝からまた雪が舞い降りてきた。大雪の予感に、まちのバロメーターは大きく針を揺らすのだろうか。これから始まるまちづくりに、対立した候補者同士がスコップを手に一緒に雪かきする姿を市民は期待しているのかもしれない。
(白坂健生)
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