トップページ ≫ 社会 ≫ 大人女子の上質な秘密部屋から学べる企業戦略
社会
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銀座から有楽町に歩いて行くと西武百貨店閉鎖後2011年10月にオープンしたルミネ有楽町店に辿り着く。
ルミネは東日本旅客鉄道株式会社が 95.1%出資する会社であり、その店舗は有楽町店の他、新宿、渋谷、池袋、品川、荻窪、町田、立川、北千住、横浜、大船、藤沢また埼玉でいえば、大宮、川越などの各主要駅にある。
多くの店舗がある中、ここ有楽町ルミネは他店とはちょっと雰囲気がちがうようだ。
それもそのはず、他店舗は10代、20代の若い世代をターゲットにしているが、ここは大人の街、そのターゲットは30代。
勿論、各階のショップがそれを物語っているが、私の場合、銀座で食事や買い物を済ませ、帰路につくため有楽町駅までの道すがらトイレ利用の目的のためだけに立ち寄ったのである。
フロア案内で確認後、トイレの表示を確認し、その通路で思わず「んっ?間違えた」と友人が言う。私は「間違っていないよ」と彼女を促したが、彼女がそう思うのも無理もない。その通路の壁面にはまるでギャラリーのようにアートが並ぶ。そう、通路という言葉ではなくアートなストリートと言うほうのが相応しい。そのストリートを通り、手前に男性そして奥に女性用のトイレがある。
トイレという場所に足を踏み入れると「トイレ=用を足す所」という概念が一掃された。
ここはまるでホテルの一室のようだ。白とグレーの内装がシックでありエレガントな雰囲気を醸し出す。奥にはここで少し寛いでいこうと思わせるソファーが置かれていた。
さらにフィッティングルームもあり、有楽町で働く女性のアフターファイブを後押ししてくれる。ショップで素敵な服を買い、ここで着替えて銀座や丸の内に繰り出そう、という女性の夢も叶えてくれる。
そして広いパウダールームには多くの鏡とともにボディケア用品のお試しが並ぶ。ゆっくりゆったりメイク直しができそうだ。
やはり上品な大人女子をターゲットにしているのがここトイレから一目瞭然である。
トイレと名のつく上質な部屋で少しリフレッシュができたので、フロアを覗いてショッピングをした。
後日このトイレのことを電話で問い合わせたところ「パリのアトリエをイメージした」と教えてもらった。
ターゲットが30代のルミネ有楽町店。さすが一等地の商業施設、たかがトイレ、されどトイレ、トイレにまで妥協がない。いや、私のようにトイレからフロアに足を運ばせる、そんなワンランク上の企業戦略なのかもしれない。
吸収合併される企業が多い中、やはり生き残れるのは他とちがう独自のカラーを時代に合わせてどう売りこんでいくか、妥協のないその戦略がひとを惹き付けるのだろう。
たかがトイレされどトイレだが、このことから多くの企業、そして政治家も学べることがありそうだ。
(古城 智美)
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