トップページ ≫ 社会 ≫ 江戸時代の教育から人材育成法を学ぶ~ユニークさが注目される全国藩校サミット行田大会~
社会
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来る7月5日(土)・6日(日)の2日間、「第12回 全国藩校サミット」が埼玉県行田市で開催される。江戸時代、全国の三百諸侯は、競って藩校を設け、武士や庶民の教育に当たった。「全国藩校サミット」は各々の藩が設けた学校、藩校教育の伝統と精神を見つめ直し、これらの藩校の伝統を受け継ぐ市町村や団体が互いに連携して新しい時代へ向けた文化創造に資することを目的として、経済界、教育界の有志が中心となり、漢字文化振興協会が藩校関係者に呼び掛け、平成14年に始まった。
藩校は各地の藩が藩士の子弟の教育のために設立し、「文武兼備」を掲げ7~8歳で入学し14~15歳から20歳くらいで卒業した。また授業は主に漢学によって進められ、藩政を担う優秀な人材を育成し、統治者としての実務や政治倫理などの人間教養のほか、医学、洋学、兵学等の実学も学んでいたという。
行田では忍藩の藩校「進脩館」が、桑名藩(現在の三重県桑名市)から三方領地替えによって来藩した徳川家康の孫を家祖とする松平氏によって桑名の藩校であった進脩館を忍で再興、藩政振興に力を注いだ。日本の金融界の基礎を築いた実業家の小山健三や写真家の小川一眞など多彩な人材を輩出している。「進脩館」の名の由来は桑名藩に仕えた儒学者の平井澹所(ひらいたんしょ)によって『易経』の「君子ハ徳ニ進ミ業ヲ修メ時ニ及バント欲スル也」を出典として選定された。
行田大会では忍藩16代目当主にあたる松平忠昌氏をはじめ、全国各地から旧藩の当主、藩校関係者が参加し、第1部の藩校サミット研修会では大阪大学名誉教授の加地信行氏による「国語教育の柱―漢字・古典・短文作り」をテーマに講演が行われ、第2部の式典では参加藩の紹介、講談師の神田紅氏による「江戸後期の忍藩と明治への移行」記念講演、市内の小学生による論語や漢詩の素読披露が予定されている。
歴史の再認識によって藩士教育から現代教育を検証し、新たな教育発見がなされ埼玉の郷土意識、教育意識の高揚につながる大会となることを大いに期待している。
お問い合わせ:第12回全国藩校サミット行田大会実行委員会
事務局:行田市教育委員会ひとつくり支援課048-556-8319
(多田 清成)
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