トップページ ≫ 社会 ≫ 野次は飛ばすべしおそるるべし~都議会の低劣さ
社会
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野次は大切だ。しかしだからこそ野次は難しい。野次はからかいでもあり、非難の言葉でもあるからだ。聴衆が野次によって興奮したり、納得したり、場がやわらいだりするくらいその効用は大きいからだ。ゆえに野次は弁論の華という。だが神聖なる議場の野次はひとつまちがえれば、品性を疑われたり、その人間の不劣性を発露させてしまうからだ。さらに不劣な野次によってその議場にいる議員達まで品格が下げられてしまう恐れがある。
今回の都議会の野次事件も、地方議会なんてレベルが低いと見なされてしまうから怖い。野次は両刃の剣だ。頭の良いウイットに富んだ野次は周囲を笑わせ、なごませる良薬となり、先述した弁論における華にもなるのだ。だからこそ、野次のない議場は、くだらない坊さんの説教をしーんと聴かされている味けなさと意味の浅いしらけた説教部屋になるのだ。
それにしても今回の都議会の野次騒動は世界の恥さらしとなった。まして東京オリンピックがあるではないか。セクハラどころではない。品性と教養の問題なのだ。例えば、執行部が答弁をする。ガス料金の仔細を述べる。しかし、答弁もれがあった。議場からすかさず「ガスもれ!」と野次が飛んだ。議場は爆笑のウズとなった。県議会の一場面だ。
あと一つ。悪質な野次を飛ばされた側の対応が何とも貧しい。何故、みんなの党はすかさず動議を議長にぶっつけなかったのか。「議長休憩の動議を堤出いたします!そしてただちに議会運営委員会を開催してください!」何故なら休憩の動議は何よりも優先するからだ。国会も、地方議会も一党だけが多数を占めるから知恵で勝負をしていかなかったら、少数党はまるで存在する意味がなくなってしまう。とくに地方議会は勉強不足の議員が多過ぎるのだ。
話はとぶが、政治家の言葉の品格の無さは石原環境大臣が露呈した。被災地の感情を全く無視して、「あとは金目でしょ!」と暴言を吐いた。言語としても、おかしいが、許しがたい言葉だ。自民党は数の力でこの暴言の正当性を国会で示した。官邸の力が強すぎて、自民党は本来の党のあるべき姿を失っている。やはり派閥があっていい。そして良識ある派閥が、「石原君は速やかに辞職すべきだ」ゆずらなければ、官邸も首相も従わざるをえまい。かっての自民党はそれがあった。ふところが深く、世論に対する謙虚さをもっていた。昔、自民党の知恵袋、三木武吉の演説に野次がとんだ。「おまえは妾を二人もかかえてるクセに!」。三木は平然と答えた。「二人ではない五人だ。だから誠心誠意面倒みて大変なんだ!」。野次は急に静まった。三木武吉はその年高点で当選した。粋ではないか。
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