社会
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ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法(通称ホームレス自立支援法)に基づき、東京23区内には、路上生活者や家も職も持たずネットカフェ等を転々とする生活困窮者を再び社会へと送り出すための支援施設が開設されている。
例えば中野区にある「中野寮」は、板橋区、練馬区、豊島区、中野区、杉並区の福祉事務所へ駆け込み救済を求めてきた人に対し、福祉事務所に在籍するケースワーカーが就労意欲や健康状態などをチェックし、「自立可能」という判定が出て入寮が認められる。
「中野寮」は都の委託を受け、社会福祉法人東京都援護協会が運営する施設で、定員は74名である。寮で暮らせるのは原則6か月で、その間朝昼晩の食事(仕出し弁当)や生活用品、そして日用品費(1日400円)が支給される。外出については、朝の6時から夜の6時までとされ、外出簿に行先と帰寮予定時間を記入する。尚、飲酒は寮の内外を問わず厳禁である。
入寮後の2週間は「緊急一時保護事業」期間で、ひたすら身体を休め、今後のことをじっくりと考える期間である。指定病院で健康診断、基礎アセスメント作成のための面談と調査用紙への記入が義務付けられているが、それ以外は自由に過ごすことができる。
2週間が過ぎると「自立支援事業」へと移行され、ハローワークなどのサポートで、就労準備を進める。仕事が決まると、寮から通勤することになるので、門限も勤務時間を申請すれば、仕事に合わせた形にしてくれる。ただ、給料は寮の管理下に置かれ、必要経費以外は住宅費など、自立のための資金として貯蓄が義務付けられる。集団生活を送るので、それなりの制約はあるが、快適に暮らすことができ、安心して自立準備を進めることができる環境だ。だが、快適さに甘え、ろくに就労準備もせず“一時しのぎ的”に施設を利用する輩も実は多いのだ。さらには暴力団員などが紛れ込み、犯罪の温床になるケースもあるようだ。
そもそも自立支援施設とは、それまでの貧困生活を清算し、再び社会へ出たい人のための施設なのである。“一時しのぎ”のための宿でもなく、犯罪者の巣窟でもないのだ。
真面目に自立を目指す人々の足だけは引っ張ってほしくない。
(直木 龍介)
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