トップページ ≫ 社会 ≫ 日本人の誇りがここにある!藩校教育が現代を照らす~全国藩校サミット行田大会~
社会
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大会式典ではそれぞれの参加藩が壇上に紹介され、代表して江戸幕府徳川宗家第18代当主 徳川恒孝氏が挨拶。「消えかけていた藩校精神、藩校教育が脚光を浴びるようになり、今回、このように盛大に大会が開催されることは第1回サミットを思い起こせば感慨深く喜びに堪えない。それぞれの地で育まれてきた藩校教育が、現代の子供たちに受け継がれていくように活動して参りたい」と語った。
来賓には地元選出の国会議員、埼玉県知事、行田市長、県議会議員、市議会議員が参列。上田清司埼玉県知事は「日本の文化、知識をリードしてきた藩校。埼玉県下で忍藩の藩校も日本の金融界の基礎を築いた実業家小山健三氏を輩出するなど誇れる存在である」と挨拶し大会への祝辞を述べた。
大会実行委員長である松平忠昌氏は学習院大学卒業。忍藩第16代当主であり、公益財団法人 忍郷友会 会長を務める。忍郷友会は明治38年10月22日に設立。設立目的の中に「士族のほか忍に所縁の一般の人達も参加して、交流を深めることとなり、会員相互の親睦、個人の知徳の涵養を目指しながら、最初は東京に遊学する忍の学生の援助をする等、後継者の育成と郷土の文化の発展にも意を尽くして年月を重ねていきます」とあり、故郷を愛し発展を願う設立当初からの伝統を強く受け継ぐ団体である。現在、忍藩校「進脩館」の藩校教育を現代に生かそうと進脩塾事業による素読教室や論語講座の開催を支援するなどの取り組み等も行っている。
式典の中で160名の子供たちによる素読が行われた。郷土意識が養われていく環境でのびのび育つ姿に、現代と昔をつなぐ伝統が生きている。
「これからも藩校が果たしてきた役割、精神と伝統を見つめ直し藩校教育の精神と心の教育で日本人の誇りを取り戻し、心豊かで明るい街づくりに貢献していく」藩校関係者による会議で「行田宣言」が採択され7月5日、6日の2日間にわたる全国藩校サミット行田大会が締めくくられた。
参加藩および(藩校名)
盛岡藩(作人館)、仙台藩(養賢堂)、庄内藩(致道館)、天童藩(養正館)、米沢藩(興譲館)、福島藩(講学所)、湯長谷藩(致道館)、守山藩(養老館)、白河藩(立教館)、二本松藩(敬學館)、棚倉藩(修道館)、水戸藩(弘道館)、結城藩(秉彝館)、壬生藩(学習館)、忍藩(進脩館)、川越藩(講学所[博喩堂])、佐倉藩(成徳書院)、江戸幕府(昌平坂学問所)、三根山藩(入徳館)、長岡藩(崇徳館)、富山藩(広徳館)、岩村藩(知新館)、田中藩(日知館)、桑名藩(立教館)、田辺藩(明倫館)、峰山藩(敬業堂)、紀州藩(学習館)、備中松山藩(有終館)、新見藩(思誠館)、岡山藩(閑谷学校)、福山藩(福山誠之館)、岩国藩(養老館)、高松藩(講道館)、丸亀藩(明倫館)、伊予松山藩(明教館)、宇和島藩(明倫館)、土佐藩(教授館[致道館])、福岡藩(修猷館)、柳河藩(傳習館)、秋田黒田藩(稽古館)、豊津藩 [旧小倉藩](育徳館[思永館])、佐賀藩(弘道館)、佐賀藩多久邑(東原庠舎)、鹿島藩(弘文館)、平戸藩(維新館)、熊本藩(時習館)、薩摩藩(造士館)、吉田藩(時習館)。
参加藩での藩校名を引き継いだ高校として、米沢藩(興譲館)山形県立米沢興譲館高等学校、吉田藩(時習館)愛知県立時習館高等学校、福山藩(福山誠之館)広島県立福山誠之館高等学校、福岡藩(修猷館)福岡県立修猷館高等学校、柳河藩(傳習館)福岡県立傳習館高等学校、豊津藩 [旧小倉藩](育徳館[思永館] 福岡県立育徳館高等学校が現存しており、江戸時代から受け継がれた藩校精神が今も生きている。特に薩摩藩の「造士館」は明治20年高等中学校の制により鹿児島高等中学造士館、明治29年に鹿児島尋常中学造士館、明治34年文部省直轄諸学校官制中改正の件で全国第七番目の官制高等学校「第七高等学校造士館」として継承され日本の教育に大きく寄与した歴史を刻んでいる。
開催地行田の忍藩(進脩館)は埼玉県立進脩館高等学校としてその名を残している。
(多田 清成)
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