トップページ ≫ 社会 ≫ 頼れる健康アドバイザー「薬剤師」さんは「街」の科学者
社会
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医療保険制度の整備された日本では自己負担が少ないため、医療費の総額は40兆円に迫り、今後も増大する傾向にある。そのため自分自身で健康を管理し病気の手当てや予防、生活習慣病などの発症を低下させるというセルフメディケーションによる医療費抑制が重要視されている。そういった意味で「薬剤師」は医薬品に関して最初に相談を受けるまさにセルフメディケーションの担い手と言える。
今回、さいたま市薬剤師会に私たちの知らない「薬剤師の仕事」について話を聞いた。
薬剤師とは薬剤師法で、「薬剤師は調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。(薬剤師法第一条)」と規定された国家資格者をいう。
病院や薬局で医師の処方せんに基づき調剤や服薬指導を行う。また薬局ではOTC(一般用医薬品)の販売を行い、ユーザーのセルフメディケーションの担い手としてそれぞれのひとにあった医薬品の相談を行う。専門知識をもとにそのひと個人の体質に合った医薬品は何が良いのかを相談に応じてくれる。また薬剤師はメーカーにおいて医薬品の研究・開発・品質管理・医薬情報を手掛けたり、医薬品卸売業における管理業務を行ったりする。一方では大学の薬学部の教員として、また行政では保健所等の職員・麻薬取締官など薬剤師は広い方面で活躍している。薬剤師は、6年制課程の薬学部を卒業、薬剤師国家試験に合格した後、薬剤師名簿に登録申請して薬剤師としての免許が与えられる。
一般的には知られていないが、注目すべきは「学校薬剤師」の役割だ。学校医、学校歯科医と並んで学校薬剤師として学校における保険衛生管理を行っている。子供たちが安心して学校生活を送るため、学校保健安全法に基づいて幼稚園、小学校、中学校、高等学校、高等専門学校、養護学校など大学を除く国公立、私立の学校に「学校薬剤師」が置かれている。衛生管理として、飲料水、水泳プール、給食施設における水質、排水の状況、衛生状態、浄化消毒等の設備の検査等を定期的に行っている。また、教室における採光、照明、空気、冷暖房、換気、騒音の検査など環境管理も行う。危険薬物の乱用防止に対して専門的教育を行うなど、普段私たちが知らない業務であり、学校という集団生活の安心を守っている。
2011年の東日本大震災の際、被災者を受け入れたさいたまスーパーアリーナでは、医師と連携してカルテなど存在しない中で、高齢者などの常用する医薬品に関しての聞き取り対応する姿は頼りとなる存在であった。その人にとって合う合わない医薬品を見極めなければならないので苦労したという。こんな時に薬局で提供する「お薬手帳」は重要で、持っていれば迅速な対応が出来きるのだという。
さいたま市薬剤師会では災害時の緊急対応だけでなく、市民への理解促進のために市民講座を開催している。「薬剤師」は街の健康維持アドバイザーであり、頼れる縁の下の力持ち的存在だ。
☆さいたま市薬剤師会「市民公開講座」参加無料(事前申し込みが必要)
平成26年9月21日(日)午後3時~午後5時 浦和ロイヤルパインズホテル4F
講演内容:「終活 静かな看取りはできないのか?(尊厳死、平穏死を語る)」
講師:日本尊厳死協会副理事長 埼玉メディカルセンター名誉院長 鈴木裕也先生
申込み、問い合せ先:一般社団法人さいたま市薬剤師会 電話番号048-831-8480 平日10時から16時まで(申し込み締め切り 平成26年9月19日 金曜日 16時)
(多田 清成)
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