社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
昨年はあいにくの雨にたたられてしまったが、今年は両日とも文句なしの晴天、その中で川越祭が開催された。
全29台ある山車の内、例年より多めの21台が参加。
2日間颯爽と力強く街を練り歩いた。
数多くの見所を持つ川越祭、今年はその中の山車の人形に注目をしてみた。
今回登場した中の3体について少しばかり記載してみたい。
原秀月作(作成年不詳 天保6年・1835年以前と推定)。
能楽にある稲荷明神の化身とされる霊狐。
刀匠小鍛冶宗近が一条天皇の命を受けて名剣子狐丸を打ったときに相槌を打ったとの故事に基づく。
凛々しさと爽やかさを合わせもつ印象を受ける。
羅稜王(仲町)
仲秀英作(作成年 文久2年・1862年)。
中国北斉時代の武将で大変な美男、戦場ではそれを隠すため異形の面をかぶり獅子奮迅の活躍を重ねる。
最後はその容姿・英傑ぶりをねたまれ非業の死を遂げる。
川越祭の人形からは壮麗さを感じる事が多いが、この作品は勇壮さを兼ね備えている。
またこの人物が山車の象徴ともいえる人形のモデルに選ばれたのかについてはとても興味深い。
こうした古の中国の英雄も選ばれていることに何かしら風通しの良い自由さが感じられ、またその時代の大らかさも看取されるようで率直に素晴らしいことと思う。
仲秀英作(作成年 明治3年・1870年)。
能楽にある翁の舞姿、烏帽子・直衣姿で翁の面をつける。
翁とは別格の能楽の祝言曲。
凛とした表情、抑えめの衣装に包まれて古の香りを放つ。
江戸の天保年間の物からあるこうした作品が展示物としてでなく、こうして祭本番で見られている事に、川越っ子に脈々と受け継がれるその心意気が感じられ、見る者の心にぐいぐいと迫ってくる。
作品は大切に生かされ今に生きている。
この素晴らしい祭を伝統と進取性を合わせた形で次代に繋いでいく。
改めてその事の大切さを皆で考えていきたいと感じている。
(小松 隆)
バックナンバー
新着ニュース
- エルメスの跡地はグッチ(2024年11月20日)
- 第31回さいたま太鼓エキスパート2024(2024年11月03日)
- 秋刀魚苦いかしょっぱいか(2024年11月08日)
- 突然の閉店に驚きの声 スイートバジル(2024年11月19日)
- すぐに遂落した玉木さんの質(2024年11月14日)
特別企画PR