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埼玉1区では自民の村井ひでき氏と民主の武正氏が激しい競い合いをしているという見方もあるようだが果たしてそうであろうか。
12月2日選挙初日、さいたま市内で行われた両候補の出陣式では対照的であった。同じ駅前の街頭演説では武正候補の演説に埼玉選出民主参議院議員が応援弁士にもかかわらず、立ち止まって耳を傾けていた人は数十名であった。一方、村井氏の街頭演説には応援弁士に小泉進次郎氏が駆けつけ黒山の人だかりであった。勝負あり?と感じるほどの勢いが大きく出ていた。いずれにしても全国で民主党の伸び悩み、第3極の低迷という情勢で自民党が議席独占をする可能性のある地域が出てきているのは確かだろう。
武正陣営は週末の土日12月6日、7日と民主党幹部を埼玉1区に送り込んだ。6日午後5時から浦和駅東口で野田佳彦前総理を応援弁士に迎えた。聴衆は500から600人といったところであったが野田氏の到着が遅れ候補者に話は30分以上となり、寒空の下で野田氏を待つといった感が強かった。野田氏は「庶民まで行き届いていないアベノミクスは失敗ではないのか、議員定数削減の約束違反である、自民党への白紙委任をせずに投票へ行って皆さんの意思を伝えて下さい」と語った。翌7日午後4時からの浦和駅西、東口では岡田克也民主党代表代行が応援演説。聴衆は浦和駅西口では300名ほど、続いた東口でも200名ほど。「投票率が下がってしまうと自民党の議席が増え、国会議論がなされず、審議で合意形成しないまま自民党主導の国会運営、法案成立となってしまう恐れがある。また、アベノミクスは富裕層と貧困層の二極化を生み出すばかりで一般庶民に厳しい。若者は経済的理由で結婚、子育てをあきらめるひとも出ている、高齢者にはますます厳しい状況で格差社会を生んでしまうだろう。その流れを民主党が変えて行きます」と訴えた。
村井候補にも連日自民党幹部が応援に入り、12月5日には菅義偉内閣官房長官、12月7日には谷垣禎一自民党幹事長が駆けつけた。公示日の小泉氏同様、浦和駅前は人だかりであった。ひとの集まりを見ても選挙に関心が無いというのではないようだ。自民党の景気回復政策に対しての評価のあらわれ、また財政再建のために国民の理解が浸透してきているあらわれではないのか。方や民主党はその政権時代の政治不信が未だにぬぐえていないのではないだろうか。「景気回復、この道しかない。」と訴える与党自民党。「今こそ、流れを変える時。」と訴える民主党。
デフレ脱却から景気回復を推し進める与党自民党と景気対策にこれといった政策を踏み込めないでいる野党に対し、国民はしっかりとした目で選挙戦を見つめている。新しい年を迎える。政治は逆戻り、後戻りでなく真っ直ぐ向かって突き進んでもらいたい。
(多田 清成)
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