もう１ヶ月ほど百日百話を説く男のはなしを聴いている。

　寒風にさらされ、氷雨に打たれてもこの男は必ず１日１話をしている。ニュース性のあるはなしの解説、株価のはなし、国債のはなし、世界経済から身近な経済まで。

　そして、すべてが街づくりにつなげているところがミソだ。要するに、国政にも県政にも経済的知識と経験、そして感覚が必要だということなのだ。政治家にはすべてのことが要求されるが、やはり教養に裏づけされた知性が大事だ。

　そして言を動に変えていく実践力。さらには、あらゆる困難にも打ち克っていくスピリットだ。毎朝、毎朝、駅に立って弁ずることは、まさしく百日百行。行なのだ。

　雨の日も、小雪の日もりりしく立つ男の勇姿に何かぬくもりのある希望や期待を感じてならない。

   そうだ。この百日百話、百日百行の男に賢治の雨にも負けずの詩情すらただよっているからうたれる。