トップページ ≫ 社会 ≫ 知事選検証~自治体別得票数から見えてきたもの
社会
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県知事選挙が終わった。約60%という高い得票率で再選を果たした上田清司知事は、選挙戦の疲れも見せず、4期目を始動。一方敗れた塚田桂祐氏を推した自民党は、新藤義孝県連会長続投を発表し、県議団は「多選自粛条例」改廃案に対し釘を刺し、上田知事との対決姿勢を明確にした。今回の選挙戦、自民党は上田知事に「ネガティブキャンペーン」で対抗し、新藤県連会長を先頭に痛烈な上田批判を展開した。しかし、各自治体別得票数を見れば「笛吹けど踊らず」だったのが分かるのだ。例えば春日部市を例にすれば、土屋品子衆議院議員も石川良三市長も“反上田”の急先鋒だった。しかし、上田が28,030、塚田が10,604と、上田が塚田を大きく引き離している。ちなみに、昨年12月に行われた総選挙は、土屋品子(自民)が、69,438、山内康一(民主)18,041、中村匡志(次世代)6,983という票数だった。14区エリアに入る旧庄和町では、三ツ林裕巳(自民)8,175、鈴木義弘(維新)4,508という票数。単純に土屋と三ツ林の票数を合わせて47,613、山内、中村、鈴木の票数を合わせても29,542。衆議院総選挙と県知事選では投票率も異なり、政治状況も異なるため一概には言えないが、春日部市に於いて、自民支持層の票が上田に流れたことが漠然と分かる。こうした「ねじれ現象」は県内各地で見られ、町議会選挙と“ダブル選挙”になったこともあり、県内で最も投票率が高く所謂「保守大国」と言われている小川町(投票率57.60%)は、上田9,997、塚田2,400という結果だった。国政選挙と知事選挙は性質が異なるが、それにしても自民党の不甲斐なさが目立つ結果だ。かつて田中角栄氏は「選挙は世論だ」と言った。選挙の結果というのは民意であり、上田知事が県民に信任された証しなのである。新藤県連会長も自民党県議団も、上田知事との対決姿勢をさらに強める構えだが、その姿勢こそが県民の民意をまったく無視しているということではないだろうか。自民党が選挙期間中「県民のため」と上田知事に対しネガティブキャンペーンを展開したが、「県民のため」を口にするのなら、上田知事と対峙するのではなく、早期に対話をすべきなのだ。
直木 龍介
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