社会
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選挙後の自民党のお2人の発言。麻生さん「積年の自民党への不満が噴出した」、菅義偉さん「自民党の賞味期限は小泉政権の前に終わっていたかもしれない」。「人が将に死せんとする、その言やよし」と云う。彼等は負けた後やっといいことを言うようになった。
自民党は危機の度に「解党的出直し」を言ったが、今度は正真正銘「解党」の危機に瀕している。自民党という政党は政権にあって初めて存在できる政党であった。政権党であることだけが自民党のアイデンティティであった。野党になったら「陸に上がったカッパ」同然。アルコールのないビールみたいなもので買う人は少ないだろう。自民党の党是であった「自主憲法制定」はいつの間にか言わなくなったし、「保守党」と言うけれど何を「保守」するのかさっぱりわからない。自民党議員が伝統保守に熱心とは聞いたことがない。
自民党議員のほとんどは理想も理念もなく、唯地元若しくは支援業界からの陳情に応えて補助金等を分捕る、或いは利益誘的法律を作成するのが議員の仕事と心得ていた。今後衆議院総議員数の4分の1以下の野党に転落した政党に陳情に来る人は少なくなり、彼らに選挙運動以外の仕事はなくなるだろう。
自民党へ投じられた票の絶対数はさほど減っていないとか、死票の多い小選挙区制のレバレッジ効果で総得票数が50%に満たない民主党が70%以上の議席を得たとのは不当だとか言う自民党議員もいる。だがこうした負け惜しみや泣き言は余り意味がない。小選挙区制では相対的支持率が問題だからである。
自民党は16年前、金銭スキャンダルで細川政権を追い詰めた記憶が残っているはずで、民主党政権に対して又同じことをやる公算が高い。だが金銭スキャンダルは長く政権党にあった自民党のほうがはるかに多いはずで、藪蛇になりかねない。そんなことをしても国民の支持は得られないだろう。失職した自民党議員秘書が民主党議員秘書に転職すれば都合の悪い情報が大量に民主党に流れるだろう。そもそも勢力が拮抗していればネガティブキャンペーンも有効だろうが、今の勢力差ではそれもむなしい。金銭スキャンダルを喜ぶのはマスコミと検察だけである。では何によって自民党は再生できるか? 官僚政治打破において民主党以上にラジカルになることしかない。但し今回当選した、政・官・業のトライアングルの中でたっぷり旨味を享受してきた長老議員にそれを期待するのはむずかしい。
与野党を通じてやるべきことに国会改革がある。予算委員会では予算に関する問題だけ扱い金銭スキャンダルは別の委員会で扱う、予算委員会での全閣僚出席の慣行をなくすこと。更に与党議員の政府への質問も無くす。議員内閣制下では政府は与党を代表して法案を国会に提出するのだから与党の馴れ合い的質問など時間の無駄である。
質問内容の事前通知も止めた方がいい。その代り質問者も閣僚に細かい数字など聞くべきではない。与野党党首が自由に議論する「クェスチョンタイム」はもっと増やしたほうがいい(党首に限る必要もない)。
最後に民主党に一言。マニフェストに拘ることはない。マニフェストはいわば定食みたいなもので、民主党に投じた人がその一品一品みんな好きとは限らない。政策を定食ではなくアラカルトで注文したい国民は多いはずだ。
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