トップページ ≫ 社会 ≫ いま日本は滅びつつある(第3回) -母なる日本の胎内に戻って出直そう-
社会
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かつての日本と日本人は、国としても民族としても質が高かった。
外交評論家 加瀬 英明
私は人一倍食い意地がはっているので、食文化に関心がある。食は重大事だ。人類が発祥してから食を分かち合うことによって、家族の絆が培われてきた。
家族は太古の昔から食卓を囲んで団欒することによって、成り立ってきた。そのような食文化こそ、家族を束ねてきた。
家族を破壊した元凶といえば、女たちだ。そして朝に晩に儲けようと、小賢しく算盤を弾くスーパーやコンビニチェーンや、食品会社や外食産業の経営者であり、託児所や養老施設を充実させようとする自治体であり、女の家庭離れを煽り、夫婦別姓や男女共同参画社会を説く人々である。
かつて女たちは家族の食事を作るために、多くの時間を費やした。ところが、調理の手間を省けば、自由な時間が増えて開放されると思っている。
食文化の基本の場は家庭である。このところ日本ではレストランが立派になるのと反比例して、家庭の食事が貧しくなった。
女たちが台所に入って調理しなくなったので、家族が会して食べることが少なくなった。たまに家族が集まって食べるとしても、加工食品を家電製品で温めるだけのことだ。二、三分しかかからない。子供たちまでもが能率を流行神として崇めている。手や心は能率を阻害するから、省かねばならない。自分で自分を追い立てて急がせると、情緒が不安定になる。人には待つことが必要だ。
そのくせ、女たちは化粧したり落すことに一日一時間以上をかける。自己中心なのだ。美容院や化粧品メーカーのサロンや、エステティックサロンで長い時間をすごすことを厭わない。だが、心に化粧を施そうとしない。そうするうちに機械のように冷たい心をもつようになった。こんな女は魅力がないから、少子化が進んでいる。
女たちのかわりに、食品工場が流れ作業によって、コンビニやスーパーや、ファストフードのチェーンへ送り込む加工食品をつくっている。野菜や魚肉や果物をそのまま売るよりも、加工したほうが付加価値が高くて儲かるので、力を注いでいる。価値という言葉が悪用されている。
食物は自然の恵みであったのに、加工食品が子どもたちにまで肥満体や糖尿病をもたらしている。食は人をつくるが、商業論理がつくる食物を摂ると、その精神が乗り移る。
家族の絆はゆったりとした、無限と思われる時間を共有することによってもたらされるから、能率的でない。私は多神教を信じているから、あらゆるものに精神が宿っていると信じている。コンビニやスーパーで売られている加工食品には、魔神が巣くっている。
女たちが結婚を支え、台所を預り、親を世話するという使命を放擲した。それを助長する企業や広告代理店や、言論人や自治体を呪わなければならない。(つづく)
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