社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
今朝初めて民主党のマニフェストを見た。以下逐次論評する(順不同)。肝心の消費税率アップの文言がどこにもないのは解せない(よくよく読んだら8頁に「消費税を含む税制の抜本改革に関する協議を超党派で開始します」と小さく書いてある。うっかりすると見落としそうだ)。
強い経済、強い財政、強い社会保障と冒頭大きな文字で書いてある。だが現実は衰退しつつある経済、破綻寸前の財政と社会保障だ。こんな景気のいいことを言っても空々しいだけだ。
政府と日銀が協力してデフレ克服
これは「日銀よ、何とかしてくれ」と読める。だが今いわゆるデフレ克服のため日銀にできることはない。理由はこれまで何度も当欄で書いた。
幼保一体化、保育所などの施設区分の撤廃(規制改革の一環として)
大いに結構、すぐにやってもらいたい。規制緩和に金は要らない。規制緩和で重要なことは正社員の解雇規制を緩和し労働市場を流動化することだ。但し大企業労組を支持基盤とする民主党では難しい。
特別会計の見直し或いは廃止
直ちにやるべし。特別会計は国会の予算審議権を無にするものだ。おまけに役人のヘソクリの温床となっている。ただ官公労は民主党の有力な支持団体だ。その反対を押し切る覚悟があるのか。
国会議員定数削減
議員定数削減は容易ではない。それより共産党に倣って政党助成金を辞退されてはいかが。これなら民主党単独で直ちにできる。武士は食わねど高楊枝。
国会議員の経費を二割削減
国会議員の経費とは何を含んでいるのか? 私の試算では国会議員の経費は政党助成金を含めると1億円を超える。その二割ならざっと二千万円だ。その理解でよろしいか?
東アジア共同体の実現をめざす
東アジア共同体が何を意味するのかよくわからない。まさか通貨統合まで考えていないでしょうね。中国、韓国とは不即不離(つかず離れず)の関係がいい。いわゆる征韓論から始まるこの二つの隣国への過度の思い入れが日本近代史の不幸の始まりであった。
君子の交わりは淡きこと水の如し、小人の交わりは甘きこと醴(れい)の如し。君子の交わりで行くべきだ。
子供手当てには国内居住条件を課す
当然のことだ。もう一つ戸籍上だけでなく実質的に扶養関係にあることも加えるべきだ。
郵政改革は次期国会で最優先課題として速やかに成立をはかります
参議院選挙の結果次第で国民新党は連立を離脱する可能性がある。その場合にも速やかな成立を期すのですか?
法人税率引き下げ
法人税減税は、日本独自の租税特別措置法という諸々の減税を廃止して相殺すればあまり税収を減らすことなく実現できるし、長期的には税収増と雇用増に寄与するだろう。
共産党(及び一部週刊誌)は「消費税増税は大企業減税のため」というキャンペーンをはっているがひどい言いがかりだ。
食料自給率の向上
食料自給率向上は政策目標としては無意味乃至有害だが、仮にそれを目指すとすれば米から麺やパンを作ることも考えられる。実際中華料理では米の麺がある。
今朝の共産党のパンフレットに「食料自給率を50%に!」と書いてある。なぜ食料自給率を高める必要があるのか説明がないが、それはさておき農林省役人の恣意的な物差しであるカロリーをベースに計算した数字を前提とするのは理解に苦しむ(金額ベースでは既に自給率は60%)。
地域主権
民主党がなぜ「地方分権」を避け「地域主権」を言うのか分からない。高々ひも付きでない補助金を増やしましょうという程度の話でしょう? そもそも民主党の各種バラマキ政策(子供手当て、農業所得補償)はいわゆる地方主権と矛盾する。
世界どこでもそうだが特に日本では増税が難しい。なぜだろう?
以下は私なりの仮説に過ぎないので反論無用。
高度成長期は毎年自然増収があったため減税が当たり前で国民はそれに慣らされた。
政治家への不信。国民は年がら年中国会を通して政治家はいかにあくどい金儲けに精をだし、政治資金をごまかしてばかりいるか聞かされているため増税は言い出しにくい。
強い政府の不存在。増税はよほど強い政府でなければできることではないが二院制のせいで強い政府の成立は難しい。いわゆる衆参捻れ国会。だが増税が一日遅れれば日本財政破綻のカウントダウンは一日早まる。
(ジャーナリスト 青木 亮)
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