社会
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6月1日、当電子新聞で「鳩山ネタはこれが最後かもしれない」と書いたが、あれから3ヶ月足らずで又彼を論じる羽目になるとは。
あの中で鳩山さんの日本語力を5段階で2と評価したが1に下方修正する必要がありそうだ。翌2日の辞任演説の中で「小沢さんは~申された」と言ったが「申される」という日本語はない。「申す」は謙譲語、「~される」は尊敬語だ。
彼は小沢支持の理由を「大義」と公言している。前後の発言を総合すると「大義」の意味もご存じないようだ。「大義」とは公のため守るべき至高の道理のことを言う。「大義親(しん)を滅す」という成語もあるように私情を殺して踏み行うのが大義だ。お世話になったから恩返しをしたいというのは私情である(首相になれたのは小沢さんのお陰という認識もどうかと思う。「鶴の恩返し」は知っていたが鳩も恩返しをするらしい)。
鳩山さんの日本語力では「敗軍の将兵を語らず」の箴言もご存じないでしょうね。
今日の菅小沢会談で代表選挙の帰趨が決まる。そもそも小沢さんに立候補を促したのは鳩山さんだ。ところが今は両者を仲介するという。放火犯が火の手の大きさに怖くなり慌てて消火に回った格好だ。
彼は首相辞任後、優先的に実施すべき政策を書いたペーパーを菅首相に渡したが無視された。
そのペーパーの政策課題中に「東アジア共同体構想」が含まれていたのは間違いない。「東アジア共同体」の主要メンバーは日本、中国、韓国だ。だが日本は他の両国とは政治的にも文化的にまるで違う。距離的に近いからといって共に何ができる?
折から中国はレアアースの輸出制限に関する日本の要請にはゼロ回答だった。表向きの理由としては乱開発の抑制を挙げているが、限りある資源を安売りしたくないというのが本音だろう。
日本の中国進出企業でストが続出することについて、岡田外相が温家宝首相との会談でストの鎮静を求めたが、温家宝首相は逆に日本企業の賃上げを求めた。ストライキを抑制する気は更々ないということだ。一企業の労使関係に政府が口を出すのも筋違いだが国家間の交渉で相手の善意に期待するのはナイーブ過ぎる。
小沢さんのこと
以下は6月3日の私のブログから(青字部分)
小沢さんもおかしな人だ。細川連立政権崩壊のきっかけとなったのは小沢さんが大蔵省と組んで仕掛けた消費税増税構想だった(結局実現せず。実現したのは橋本自民党政権時)。彼はあの当時消費税増税が必要だと認めていたわけだ。
ところがあの当時より財政情況は遥かに悪いのに小沢さんは菅財務大臣が唱える消費税増税に反対だという。選挙に不利だから?それとも「君子豹変す」? 誰かさんみたいに「よく勉強したら日本の財政情況はそれほど悪くないことがわかった」なんて言い出すんじゃないでしょうね。
小沢さんなぜ消費税アップ反対に転じたのだろうか。以下は私の仮説である。
細川連立内閣の成立によって、自民党が再び政権党に復帰することはなく、小沢時代が長く続くと大蔵省は読み誤り小沢さんに擦り寄った。それにより小沢さんは大蔵省の意向を受けて消費税アップを推進しようとした(彼の著書「日本改造計画」は実際には大蔵省の役人が書いたものだ。彼がどこまで内容を理解しているのか疑わしい)。
その後ほどなく自民党は政権に復帰し、大蔵省も野党に転じた小沢さんを相手にしなくなった。彼はその意趣返しとして財務省が切望する消費税アップに反対を唱えるようになった。
これに関連して、
今年4月幹事長当時、余分な財源が必要となる高速道路整備促進を謳いながら、国土交通省の高速道路料金体系が一部値上げとなるのはマニフェスト違反でありけしからんと難癖をつけた。
あれやこれや思い合わせると小沢さんには確たる政策理念などなく、自分の気に入らない人物(菅首相であり前原国土交通相)又は組織(財務省)が行う政策にはいちゃもんをつける癖があるのかなという気がする。党派性が強く狭量と言ってもいい。
(ジャーナリスト 青木 亮)
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