社会
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この事件がどう決着するのかまだ予断を許さないが、これまでメディアに見られる「高論卓説」その他を論評してみる。
鳩山前首相の発言
「私が首相であればホットラインを利用して温家宝首相と腹を割って話し合いうまく解決した」そうである。いかにも「友愛」の鳩山さんらしい発言だ。何とかに付ける薬はない。中国の、日本首相のカウンターパートは胡錦濤であって温家宝ではない。温家宝は中国共産党のナンバースリーに過ぎない。仮に鳩山さんが今も首相の地位にあって、温家宝に電話したとしよう。相手は電話に出ないか出たとしても型通りの強硬論をぶったことだろう。彼の一存では重要な外交方針を決められないからである。ホットラインが意味をもつのはトップが互いに決定権をもつ場合に限られる。相手が国家主席の胡錦濤であっても反応は変わらなかったはずだ。
外交問題で「譲歩」するには並々ならぬ政治的力量が必要であり毛沢東、鄧小平のようなカリスマにして初めてできることだ。中国は革命の創業者世代がほぼ姿を消し、今や第三世代だ。もはや毛や鄧に匹敵する権威ある指導者はいない。胡錦濤といえども独裁者ではない。
以下某自民党議員の「池田信夫ブログ」へのコメントから一部抜粋
まず事件について言わせていただくと、自民党政権なら即刻国外退去です。勾留などしません。理由はシンプルで、それが日本の外交方針だからです。そのような外交方針だからこそ、たとえばオホーツク海で日本漁船がロシア海軍に拿捕されるような場面があったとしても、早期解放を要求することができる。近海漁業だけでなく、遠洋漁業のことも考え合わせれば、日本はそのような外交方針で他国と付き合うしかない。以下略 以上引用
コメント
国会議員なら匿名ではなくなぜ堂々と名前を出さない? 他人のブログに匿名でコメントするとはさもしい。それにこの御仁は勘違いしている。今回の事件は単なる領海侵犯事件ではなく公務執行妨害罪を構成する。単なる領海侵犯なら領海外に退去させて済ますこともできたかもしれないがこの事件は日本の巡視艇を破損した。これを黙って見逃せば世界の物笑いになったことだろう。
メルマガ「さすらい通信」(まぐまぐID-24866、めろんぱんID-00237)870号から一部を抜粋
「自民党幹事長やってる石原伸晃、NHKの時局座談会で『管内閣は外交音痴で歴史に残る大失態だ』と批判して、検察当局の証人喚問を求めるとか言ったそうだが、こいつ良く言うよなー。小泉内閣の時に海上保安庁を所管する国土交通大臣やってて、中国人活動家の尖閣諸島上陸を許してしまったのがこいつじゃないか。
島にある神社に放火の跡があるので、警察は送検しようとしたのを小泉首相の『大局的判断で』送検せずにそのまま送還して、急いで解決してしまったんだ。
この前例が今回の件でも尾を引いているのは明白じゃないか。それを忘れたわけでもあるまいに。こんなインチキ野郎がいるかい? 以上引用
中国の報復措置
フジタ社員の拘束
中国側の報道によれば、日本人四人が無断で軍事警戒区域に立ち入り写真撮影したということだ。明確な立ち入り禁止の表示或いは柵フェンス等の設備はあったのだろうか? 衛兵はいなかったのか?日本人四人だけで通訳、運転手等現地又は同社の中国人を伴わなかったのだろうか?疑問は次々にわく。おそらくこの四人は中国政府の罠にはまったのではないか。中国の警察又は軍当局は彼らの動きを逐一把握し罠に落ちるのを待っていたに違いない。
テレビ東京夜の番組WBCでキャスターの小谷真生子さんがこの四人を「人質」と言ったのには驚いた。案の定その後訂正の発言があった。確かに実質は人質だがテレビでそれを言ったらまずいでしょう、小谷さん。
レアアースの対日禁輸
中国がレアアースを世界中で大安売りして、競合各社を廃業に追い込み、世界で独占的な地位を築いたのは初めからこれを政治力に転化することを狙っていたのだろう。禁輸のもう一つの狙いは日本企業の基幹部品を中国で製造せざるを得ない立場に追い込み高度な技術を取込むことにあると思われる。
当面第三国を迂回して入手する手立てを講じ、その間円高を利用して新たに鉱山を開発し中国依存度をできるだけ減らすことだ。レアアースの代替材料の開発も必要だ。
通関手続きと税務調査
日本からの輸入手続きを厳格にする措置(抜取り検査から全量検査へ)が既に始まっている。今後これに加えて日本企業を狙い撃ちにする税務調査の強化が考えられる。中でも移転価格税制の強化がありそうだ。つまりロイヤリティ等無形資産の対価として日本本社に支払う金額が高すぎる、即本来在中国企業にもっと利益があるはずと認定し追徴課税することが予想される。
日本製品不買運動はさほど広がらないだろう。中国で売られている日本ブランドはほとんど中国で作られているからである。北京オリンピックが開催された一昨年、聖火リレーに関連して一時フランスのスーパーマーケット、カルフールの不買運動を組織しようとする試みがあったが、カルフールで売られている商品はほとんど中国製であり従業員も大部分中国人であることに思い至りしりすぼみに終わったことがある。
日本国債購入
中国の一部で日本国債を購入し円高に誘導し日本を苦しめようという意見があるらしい。日本国債を買っていただくこと自体は結構だが、困るのは損を覚悟で一気に投げ売りされ暴落することだ。その時膨大な日本国債を保有する日本の金融機関は破綻に瀕するだろう。これ以上国債発行を続ければいずれそういう事態が起こり得る。
尖閣諸島以外の領土問題
これ以下は中国人には読ませたくないが、多分中国人読者はいないと思うので書くことにする。
江戸時代沖縄は薩摩藩と清国による二重支配下にあった。沖縄は実質的には薩摩藩が支配し形式的には清国に朝貢し宗主国と仰いだ。薩摩藩は沖縄を完全支配できたけれども、江戸幕府の鎖国政策をかいくぐり対外貿易の拠点とするには一種の独立国と擬制するのが好都合だったので清国との関係は知らないふりをした。明治になって完全に本土に帰属することになったが、実はこの時宗主国である清国に出兵を依頼し日本への帰属を阻止しようとする動きが一部にあった。
首里城の守礼門と言えば沖縄のシンボル。儒教の最も重要な徳目である「礼を守る(日本語の「礼」よりはるかに広い意味で「規範、秩序」に近い)」という意味。ここにも中国臭が伺われる。
歴史を掘り起こせば切りがないが、戦国時代中期中国人倭寇の王直が長崎県五島列島を一時支配したことがある(もっと遡れば邪馬台国の卑弥呼だって「親魏倭王(魏から任命された倭国の王)」だし、足利義満も明の建文帝から日本国王に封じられている)。
こうした史実から将来沖縄や五島列島は中国領だと主張する中国人が現れても不思議ではない。実際中国のメディアで沖縄は本来中国領だとの主張がちらほら見受けられる。
泥棒にも三分の理
これだけ虚仮(コケ)にされてもまだ「戦略的互恵関係」なんて言っている菅首相と仙谷官房長官! 本来こうした国辱に最も敏感であるはずの学生達の鈍感さが気になる。これも「人類みな兄弟」という戦後教育の成果か。
(ジャーナリスト 青木 亮)
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