文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
私はビュッフェスタイルが苦手だ。ツアーの朝食ならまだしも。
ビュッフェに並んで待つ神経もわからない。
食べ放題ってどうよ。と思う。
少しでも美味しいものを、じっくりといい器でいただきたい。
フォークもナイフもどっしりとした重みのあるもの。
もちろん、お皿も温かく。
しかし、アルコール好きな私。飲み放題には弱いのでやれやれだ。
若いカップルが県内のレストランにいた。
家族で経営しているが、味が評判の一流のイタリアン。
そのカップルの彼が、ワインを頼んで、「ワインクーラーは
ないのか!」と声をあらげた。
あらあら、赤ワインなのに。と私は意地悪く観察する。
女主人がワインクーラーを運ぶ。
赤ワインがワインクーラーに入れられた。
ワインの本当の味がわからない身体だけ大人のお子さまでは冷えた赤ワインでもいたしかたなし。と、私の視線は彼をとらえていく。
みなさんもご存じだろうが、ワイングラスには長い脚がある。
シャンパーニュやスパークリングワインなど泡のワインには
フルートグラスを使って、泡のよさを楽しむ。
ものには必ず理由があるのだ。
その若者は、あろうことか、ワイングラスの脚をもたずに、
グラスの底を、ブランデーを飲むかのように温めているではないか。
なんのためのワインクーラーだったのか。
マナーは蓄積されて醸成される。付け焼き刃的なメッキはすぐ剥がれる。
知識も同じこと。膨大な読書量の人と一時的な聞きかじりの人はすぐにばれる。
レストランでの一こまから、また学ぶことができた。
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