トップページ ≫ 社会 ≫ 社説 ≫ 上田県政4期目に期待すること
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昨日投開票が行われた埼玉県知事選挙は、5割以上の得票率という圧倒的な結果で、上田知事の4期目がきまった。自民党埼玉県連の擁立した対立候補は、「多選自粛条例」の条例違反に的を絞り現職批判で戦い、共産党推薦の候補は戦争法案反対を中心に訴えるなど、これからの埼玉県をどうしていくのかについては最後までかみ合わなかった選挙戦だった。
「多選自粛条例」については、今回このような結果で民意の洗礼を受けた上田県政4期目は、まずは県議会の正常化が求められる。昨年秋以降の埼玉県議会は、春の統一地方選そしてこの度の知事選を視野に入れた知事サイドと自民党県連の対立に翻弄されていた。地方選挙はそれぞれの地方の抱えている事情が投票行動に反映されるので、必ずしも国政の政党支持率をあらわすものではない。しかし現実問題として、地方の首長選挙の結果が中央政界に波紋を及ぼすことはままある。今回、安保法制で野党から攻撃をうけている自民党・安倍政権としては当初から党本部として介入は消極的であった。来月の岩手県知事選挙でも事前の調査結果が芳しくないということで、自民党支援の候補者が出馬を取りやめた。現政権にマイナスになりかねない今回の知事選の結果である。この後も不毛な対立をつづけるというのは誰のプラスにもならず、まずもって県民のためにはならない。県知事と第一会派の自民党がより良い埼玉県のために政策面で切磋琢磨する関係にならなければいけない。
さて、上田県政4期目。政策面では、人口10万人に対する医師数では全国最下位の埼玉県の医療の充実を図る必要がある。しかし、長期的には「2025年問題」が控えている。これは2025年に団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)の仲間入りすることによって、介護・医療費などの社会保障費の急増が懸念されている。介護・医療費で財政が破たんしないための予防医療政策、介護政策が求められている。特に、要介護状態となっても住み慣れた地域で住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムについては、市町村と県がしっかり連携をとっていく必要がある。
また今回の選挙においても、投票率は26.63%と低かった。さらに若者層の投票率はより低かったと推測される。来年から18歳から選挙権が与えられる中で、若者に対して模擬投票などの試みが行われているが若者が選挙に関心を持たない理由に、ほとんどのマニフェストは高齢者に向けられていて若者を対象にしていないからだと言われている。4期目においては教育・子育てへの社会保護支出を増加させる、また稼ぐ農業の政策の中で若者への農業参画のサポートなど取り組みをしていくことが、若者を積極的にこれからの埼玉県を創りに参画をさせてほしい。上田県政の総仕上げであるこの4年間に期待したい。
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