コラム …埼玉の余話
作家で昭和史に詳しい半藤一利さん(85歳)は、「明治から昭和にかけての歴史は日露戦争(1904~1905)でいったん切った方がわかりやすい」と読売新聞に書いた。日本が「一等国」に仲間入りしたという意識と熱気がその後の太平洋戦争の負けの時まで暴走させてしまったというのだ。この指摘は正しいと思った。
今回の知事選。自民党はこの半世紀の知事選でワーストワンの汚名をさらけ出した。あまりにもひどい惨敗だ。やはりそこには、自民党に対する自己陶酔や慢心、おごりがあったと思われても仕方ない内容だった。挙句の果て、この敗北に県連幹部の誰からも反省の弁はなされず、終わってなお上田批判を繰り返す姿勢には失望を越えた絶望すら覚えてしまう。負けた時こそ、王者は王者たる率直な反省をし、次に備えることこそ道である筈だ。見苦しい姿勢には必ずツケがまわってくる。王者自民党から見識ある反省の弁と「勇士」が出てくることを切望する。
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