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コラム …男の珈琲タイム
京浜東北線が終点大宮に着くほんの手前、右側の車窓に「鯉平」という看板が目の中にパッと入ってくる。
横文字が多い大宮の看板の中で「鯉平」は目の中に入り、脳裏にジーと焼き付いて離れない。そして、池波正太郎の「鬼平」が重なって「江戸」が平成を振り払い、私の心に拡がってくるのだ。もちろん歴史という追体験を通してだが。「鯉平」の主人は三代目で、「鯉平」そのものは、手広く鰻をはじめとした川魚の卸しをやっている。そして、3軒の料理店も経営している。従業員は70名を越え、連日大繁盛だ。
この主人。というより近代経営を全うしているこの社長は、学校も学歴も見事だが、その人間力が凄い。寡黙を演じ熟すると熱く、言を即行動に移す才智の人だ。
さいたま市の実業家の中でもこの人を知らぬ人はいない。
おもしろいことにやはり、「鯉平」は「鬼平」とも深い縁があったのだ。
「池波さんの長谷川平蔵こと鬼平は、常に現場で指揮をとっている、現場主義のリーダーです。そこに魅かれて、すっかり鬼平のファンになりました。羽生の店はしたがって鬼平にあやかりました」と社長の清水さんは言う。私は鬼平の人生哲学からは多くを学んで来たが、経営とまではいかなかった。
学ぶ人は、どこからでも学び、鰻の豊富な栄養素と同じような人間力のエネルギー源とするのだと、私もまたこの希有のひとから学んでいる。
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