トップページ ≫ 社会 ≫ 教育 ≫ 保護者世代には想像できない「小学生と情報通信端末の正しい付き合い方」(2)
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●急激に進む使用開始時期の低年齢化
次に紹介するデータは,「小学校入学前から子どもが利用していた情報通信端末」についてです。調査時の高1生(現高3)だと,小学校入学前からノートパソコンを使っていた子どもの割合は5.8%,ゲーム端末は8.0%となっていますが,これが小1生(現小3)になるとそれぞれ21.8%,21.5%と跳ね上がっていて,「小学生の5人に1人は,小学校入学前から(保護者の)通信端末をいじっている」ことがわかり,情報通信端末の利用開始時期の低年齢化を示しています。
(単位%) | 小1 | 小2 | 小3 | 小4 | 中1 | 高1 |
---|---|---|---|---|---|---|
携帯電話 | 15.8 | 12.8 | 8.2 | 4.5 | 4.0 | 1.8 |
スマートフォン | 10.3 | 6.5 | 3.0 | 1.0 | 0.5 | 0.3 |
タブレット型 パソコン |
6.5 | 3.7 | 2.3 | 0.3 | 0.5 | 0.3 |
ノートパソコン | 21.8 | 16.0 | 10.0 | 10.8 | 5.7 | 5.8 |
デスクトップ型 パソコン |
17.8 | 16.0 | 11.3 | 6.8 | 9.5 | 9.5 |
通信機能付き ゲーム端末 |
21.5 | 19.8 | 15.0 | 16.3 | 12.5 | 8.0 |
通信機能付き 音楽プレーヤー |
3.3 | 2.5 | 2.0 | 1.8 | 0.5 | 0.3 |
総務省によると子どもの端末利用開始時期はここ数年で大きく上昇しているとのことで,現在の小4が分水嶺になっていることがデータからも読み取ることができます。「デジタルネイティブ」と呼ばれる彼らが中学・高校と成長していく過程における端末との付き合い方は,現在の中高生ともまた違ったものになるであろうことを我々大人は想定しておく必要がありそうです。
●保護者がまずチェックすべきは「時間の浪費」
こうした通信端末との付き合い方において,我々大人であっても難しく感じられるのが「自己管理」です。個人情報の保護やウイルス感染の可能性といった危険を伴うものもあれば,「時間の使い方」もその範疇に入ります。私もネットで調べものをしながら段々と違うことを検索し始め,気がついたら随分と時間を浪費していたという経験が何度もあります。現在大学生の長男は「自分が高校受験の頃にスマホが手元にあってLINEができる環境にあったとしたら,正直言ってしっかりと勉強できていたかどうかわからない」と言います。自治体主導で始まって話題となった「21時以降の携帯電話規制」も,自己管理がまだまだ充分でない中高生にとっては実は救いの手だった可能性も否定できません。
急激に進化する情報通信端末は,使い方さえ間違えなければ小中学生にとって非常に有用なツールだと私は考えています。しかしながら彼らには,まだ「自己管理のためのルールを気にする習慣」が確立されていません。「自分自身が使える時間には限りがある」という感覚が身についていない以上,保護者を含む大人が何らかの規制をかけなければならないという議論は,現在の小学校低学年の子どもたちが中学・高校と成長する過程において,過去はもちろん現在との比較においても,より重要で真剣にならざるを得ない可能性が高いと思われます。
「時間の使い方」を正しく身につけない弊害は,小学生の時から少しずつ蓄積され,中学のある時期に様々な問題としていきなり表面化します。インターネットはもちろんゲームも含めて,時間の使い方が目に余るようであれば,中学入学前が「習慣を見直す最後のチャンス」ととらえてご家庭でのルールを決めておきましょう。
総務省情報通信政策研究所
「子どものICT利活用能力に係る保護者の意識に関する調査報告書」
http://www.soumu.go.jp/iicp/chousakenkyu/data/research/survey/telecom/2014/2014children-ict.pdf
秋田 洋和
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