トップページ ≫ 社会 ≫ 「マンション建替えがわかる本」出版記念イベント開催
社会
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9月29日火曜日、東京の日本橋社会教育会館で、一級建築士本山千絵氏(さいたま市南区在住)、マンション管理士日下部理絵氏の共著「マンション建替えがわかる本」(学芸出版社刊)出版記念イベントが開催された。会場にはマンションの建替えを考えている住民や管理組合関係者、管理会社など多数集まった。
第一部では本山千絵氏が「マンション建替えの現状と改正マンション建替え円滑化法のポイント」というテーマでセミナーを行った。先ず、平成26年末時点で、全国のマンションストックは631万戸で、旧耐震基準マンションや築40年以上経過したマンションも相当数存在していることを挙げた。さらに高経年マンションが抱える問題点として、維持管理、修繕・改修、賃貸化・空室化でスラム化してしまうことに警鐘を鳴らした。また、マンション建替えの壁ということで、資金の問題や既存不適格のケースを紹介し、改正された「マンション建替えの円滑化等に関する法律」の解説を行った。そして、「マンション再生の価値」について話をし、築30年以上のマンションに、かなりのお年寄りが住み、孤独死に至るケースが増加していること、女性の社会進出によって、共働き家庭の増加し、日中子どもだけで過ごしている家庭の増加などの社会的背景を踏まえ、独居のお年寄りに対する声かけや、子どもだけで遊べるスペースの確保など、建替えることによって、新たなニーズが出てくることなどを力説した。
本山氏のセミナー後、日下部理絵氏がコーディネーターを務めるパネルディスカッションへと進み、東京・大田区萩中で実際建替えを行った「オーべルグランディオ萩中」の北畠宏元理事長、新宿区のシンテンビルの升野龍男元理事長、デペロッパーからは旭化成不動産レジデンスの大木祐悟主任研究員、長谷工コーポレーションの村上誠理事統括部長、新日鉄興和不動産の関口眞人執行役員をパネラーに、マンション建替えのメリットや、建替えを成功させた秘話などが披露された。建替えに何よりも必要なことは、マンション住民や近隣との合意形成であり、如何に信頼関係を築き、コミュニケーションを図って行くかが重要と、各パネラーから異口同音に話され、信頼関係を築けず、コミュニケーションも不足していることで、建替えが難航しているケースもあることも話された。
東日本大震災により、防災に対し関心が高まっているが、旧耐震基準のマンションや築40年以上のマンションの存在は脅威になりつつある。それ故建替えについて真剣に考えている管理組合関係者も増えているようだが、何よりも住民相互のコミュニケーションと、関係者同士の信頼関係構築こそが必要なのである。
直木 龍介
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