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圧勝した藤本正人所沢市長が語る
2015年11月07日
先日、2期目の当選を果たした藤本正人所沢市長。所沢で育ち、所沢で教師を務め、さらに所沢で市議、県議を経験した藤本市長だからこその政策を持ち、1期目からこつこつと実績を積んできた。『動け!所沢 紡ごう!絆』の実現に向け、いよいよカドカワの誘致も決まり、具体的なプランも決まってきた。本紙は当選間もない藤本市長を訪ね、旧所沢浄化センター跡地に展開される「クールジャパンフォレスト構想」を中心に、2期目の抱負を聞いた。
○クールジャパンフォレスト構想
カドカワは、コンテンツをたくさん持っています。例えば、出版、映画、それとニコニコ動画など、日本の最先端と言われるような、クールジャパンの目玉を持つ文化の会社です。そのカドカワが、所沢にカドカワ70年の歴史の集大成を持って来ようと言ってくれたのです。所沢市としても、全面的に協力し、カドカワと所沢市がジェネラルプロデューサーとなり、各方面の有識者の方々にアドバイザーになって頂き、事業を進めることになりました。そうやって海外旅行客も訪れるクールジャパンの総本山を目指します。「フォレスト」と入ったのは、所沢は緑豊かなマチだからでした。近くに東川が流れ畑地も残り、また、東所沢公園もあります。緑を大切にするマチという価値をしっかり銘記しておきたかったからでもありました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでの完成を目指しますが、900人規模の雇用を創生し、障害者の方専門の働く場所(特例子会社)も入ってきます。博物館、図書館、美術館、カフェ、そして託児所、さらにニコニコ動画が単位制による通信制高等学校を開校するので、スクーリングする場所も入り、日本初の「文化モール」が完成することになります。なお、所沢市にとって「文化モール」の意義は大だと考えています。というのも、商業モールは絆を紡ぐことを解体する面を持っています。商業モールができれば、必ず隣接する商店街がすたれ、地域の絆を壊してしまうからです。大震災と原発事故を原点に「人と人の絆」「人と自然の調和・共生」を目指す所沢市としては、商業モールではなく、「文化モール」が来てくれることが有難いのです。もうすぐ創業70周年を迎えるカドカワですが、角川歴彦会長は総力を挙げて、所沢における事業を推進して行くと仰ってました。所沢市としても全力で取り組んでまいります。
○地下鉄12号線東所沢延伸構想
以前から地下鉄12号線延伸促進協議会(練馬区、新座市、清瀬市、所沢市)で、国や東京都、埼玉県へ毎年要望活動を行っています。その中でよく言われるのは、朝は上りが混んで下りは空いて、夜は下りが混んで上りが空いているという状況では採算が合わない。ですから、東所沢に需要がなければいけないのです。先ほどの「文化モール」や、松郷工業団地の拡大、関越道所沢インターチェンジ近隣への企業誘致、さらに私立一貫校計画など、総合力で地下鉄12号線延伸の有力な理由となるはずです。実は国の審議会では今年度中に答えを出すことになっております。また鉄道というのは他の路線と繋がってメリットが生まれるものです。東所沢まで当然延ばすべきだということで清瀬も、新座も団結して頑張っておりますので、今年度中の答申に、滑りこみセーフを狙って、最後の詰めを行っている段階です。
○民間の声に耳を傾けることで突破口を開く
西所沢駅西口開設についても発想を変えることによって、道が開けてきたと思っています。また、市民の皆様のお声を聞き、それをアイデアにしながら、発想を転換して、上手く突破口を開くという点では、実はカドカワもそうだったのです。カドカワ誘致までには2つ山がありました。1つは旧浄化センター跡地を別用途に使うことで目的外使用とみなされ補助金5億円強の返還を迫られたこと。もう1つは、更地にするための解体費14億円の捻出ができず、市債発行も認められなかったことでした。そこで補助金返還については下水道部の職員と、柴山昌彦衆議院議員にも関わってもらい、いろいろと解釈を変えたり、様々な工夫があり、300万円でいいよ、ということで解決し、また解体費用の捻出については解体費用を含めて売却するという発想で乗り越えました。実はある方から、解体費用が出ないのなら、解体費用を含めてトータルで売ればいいじゃないかというアドバイスがあったのです。今となっては簡単に思いつく話だったのだけど、役所はこれまでそんな手法は取ったことはなく、多くの場合、そのまま塩漬けになってしまいました。しかし今回は、4万平米の内半分は工場にしてください、働く場所にしてください、特例子会社を入れてください、環境にプラスの施設にしてくださいという条件をつけて全国にアイデアを公募したところ複数の提案が来て、一番好条件を示してくれたのがカドカワだったのです。西所沢駅西口開設にしても、20年以上最適地の所有者に「売ってくれませんか」と交渉を続けました。でも、その方以外に交渉はたぶん行わなかったのです。これも民間の方からのアドバイスで、視点を変え、適地周辺の皆さんにも聞いてみようと動きました。動いた結果「いいよ」という方が現れました。当初予定していた場所ではありませんが、西所沢駅西口改札口は4年後必ず開設されます。
終始、丁寧に、時々ユーモアを交えながらも熱く語ってくれた藤本市長。「クールジャパンフォレスト構想」を中心に、これから所沢は大きく進化する。これまで藤本市政に対し、様々な批判があり、先の市長選挙でも厳しいという見方をする人がいたが、蓋を開けてみれば、他の候補者を大きく引き離し勝利した。これは、藤本市長の行動力、そして人間力が優れているという証なのである。 今後も所沢市の更なる発展のため、存分に力を発揮してもらいたい。
直木 龍介
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