トップページ ≫ コラム ≫ 男の珈琲タイム ≫ 日本の名女将「女将の生き方は優れた人生の教科書」
コラム …男の珈琲タイム
【折々の女将たち】
名女将と呼ばれなくとも
四季折々の花のように
様々な色彩を放ちながら
生きとし生きる女将模様を綴る
【女将の生き方はすぐれた人生の教科書】
結婚わずか数ヶ月で夫の浮気を知った。妻は考えた。というより悩みぬいた。毎晩遅く酔って帰宅する夫を待ち続け、毎晩小言と口争いの日々を送った。「待って。私が女としてまだまだ魅力に乏しいのね」気付きが人生を膨らませる。妻は本来の美形におごりをもっていた。磨かぬ玉はさびる。どんな路上の意志も磨けば光る。人間もそうだ。店が終わっても女の美を演出した。
他の女に負けるものか!という執念があったという。そんな時気力が鬼神を遠ざける。店の客は増え続け、夫の浮気もピタリととまった。結婚三年にして、両者はまた惚れあった。亭主は割烹料理の経営に日夜を忘れた。女将はその夫に二度惚れ、三度惚れ、惜しくも夫は財を残してこの世を去ったが女将が当時を語るとき、人生の教科書はどの学校の教科書にも優ると実感せざるとえない。
全ては、将たるものの器量である。時は少しの猶予を与えず、やってきて、去っていく。将たるものに悩むべき時間は、皆無に等しい。まずは、自己を信じる。信じ貫く。そして生まれながらの性格も運命も強い信念のもとに、新たな、選択をしながら、自己達成を図って、いくところに、しきるもの、導くものの道と生き筋がある。本当に強い信念をもった者だけがこの世界を、生き貫くことができる有資格者だ。限りある命の華やぎと色彩の中で見事に香り高い花の生涯を創り、その経過の中で、日本の美と日本の文化を伝承すべき女将の使命は形容しがたい重みをもって、現代という時を刻み、亭々とした未来につながり、拡がっていくことを祈ってやまない。
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