トップページ ≫ コラム ≫ 男の珈琲タイム ≫ 日本の名女将「芸妓から女将に~その一」
コラム …男の珈琲タイム
【折々の女将たち】
名女将と呼ばれなくとも
四季折々の花のように
様々な色彩を放ちながら
生きとし生きる女将模様を綴る
【芸妓から女将に~その一】
昔、芸妓が政治家や実業家を支えたことは、歴史的事実だ。支えるどころか、優れた名妓は政治家を創る重要な役目もした。桂小五郎と芸者幾松の話はあまりにも有名だ。後に明治の元勲となった桂は木戸孝允といった。その賢妻が幾松だった。
天皇まで泊まる名旅館の社長は四十代で離婚、なじみにしていた芸妓を正妻として迎えた。芸妓として旅館に来ていたときと女将として旅館を統括する仕事とは、天と地の差があった。しかし、彼女はもてなしの器量は抜群だった。徹しようと心を決めた。板前にも仲居にもフロントにも自分の至らなさを正直に伝え、死ぬ気で旅館業務に専念することを誓った。最初なめていた従業員たちも、その女将の実直さに打たれて、人間として尊敬した。全ては尊敬が土台だ。
素人の女将は、従業員に支えられてプロの女将となった。半端なプロより、ゼロから出発した素人は強い。女将の素直さと気配りに客は絶えないという。旅館の数、わずか十軒足らずの小さな温泉町の話だ。
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