文芸広場
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長男は小説が嫌い。学校で朝読書の時間があるので、仕方なしにあまり想像力の必要がない本を持って行って読んでいる。そんな長男に雑学集の本を貸した。あらゆる分野をテーマに、2~3行で書かれた事柄がたくさん載っている。どこから読みだしてもいいし、さっと読める。長男にはもってこいの本だ。
先日、その本に載っていた「アイガー北壁」について私に話をしてきた。登った誰もが登頂に成功するわけでもないが、続けて成功する場合もあっていったいどんなところなのと。早速インターネットで「アイガー北壁」と調べると、検索結果には画像のほか、アイガーを舞台にした映画や本も出てきた。その中に山岳小説で有名な新田次郎の本が。アイガー北壁のほかに山岳短編を収録した短編集だった。長男が「読んでみたい!」と言った。面白そうな内容だし、短編なら読めるかもしれないからと。長男には買ってくることを約束して、書店へ行ったのだが、残念ながらこの本はなかった。ほかの短編集があったのでそちらを購入。長男に渡すと「ありがとう!」と受け取った。
物語を文章で読んで想像することが苦手な長男。映像で見るほうが頭を使わなくて済むし、時間もかからない。一つのことにじっくりと取り組んで最後までやり遂げることも苦手だ。ただ文字を追うのではなく、一つひとつ場面を想像しながら読み進めて、その物語の世界に入り込んで欲しい。読み終えた時、どんな感情が待っているだろう。
「アイガー北壁」この言葉一つから、山について、新田次郎について、小説について、ちょっと興味を持ったはず。興味のほんの入口だけど、新しい世界に足を突っ込んだことは確実だ。物語を読む楽しみや、もっと知りたいと思う探究心を身につけて、自分の将来の可能性を広げて欲しい。興味を持つきっかけはどこにあるかわからないが、それを拾いあげて生かす機会を作るのは、親の務めなのかもしれない。
岡 アヤコ
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