主筆のインク
先週プロ野球が開幕した。ペナントレースの行方についての関心は、由伸ジャイアンツの活躍や、また埼玉県民にとっては西武ライオンズへの期待など、人それぞれだが、いまはまさに各チームの優勝の夢をみれる時期だ。
球団経営という視点でみると、横浜スタジアムを買収した横浜DeNAベイスターズに注目だ。何故スタジアムを買収したかというと球場との一体経営で黒字を目指すからだ。球団の売り上げの大半を占める入場料で、人気をあげて収入をあげてもスタジアムに利用料を支払うと構造が黒字化を難しくしている。スタジアムを買収することにより、利用料支払いが減り、球場の飲食や広告の収入が増えることになる。 球場という施設は野球だけだと年間約65日前後しか稼働しない。残り300日を有効に稼働させれば、売上を増やすことができる。
筆者も楽天イーグルスの立ち上げに参画していたのでこの背景がよく理解できる。楽天イーグルスが初年度黒字化にできたのは、まさに球場との一体経営ができたからだった。周辺環境との兼ね合いで音楽興行などは開催できなかったが、球場でのウェディングなど、球場をいかに使ってもらうか担当者が苦心していた。また筆者も球場のありとあらゆるところに広告を掲載できないか知恵を搾ったものだ。
その楽天の本拠地、楽天koboスタジアムは内野・外野フェアグラウンド部分を今年から人工芝から全面天然芝に改修した。寒い東北の地でも芝が生育できるように、芝の下から温風を吹き込むなど土壌温度・水分の管理を行う最新のシステムを導入したとのこと。アメリカのメジャーリーグのスタジアムは、ほとんどが内野・外野フェアグラウンド部分が天然芝だが、日本の天然芝球場でも外野部分のみで内野部分にまでは張られていないのが普通だ。今回の改修でコボスタ宮城は日本で一番本場メジャーのボールパークに近くなったといってよいだろう。TV観戦は手軽に楽しめるが、プレーとともにスタジアム自体を楽しむというのもプロ野球観戦の醍醐味だろう。
小林 司
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