トップページ ≫ コラム ≫ 雪んこの頑張って咲きます♪ ≫ 沖縄の歌手・我那覇せいらさん夫婦の決断~ザ・ノンフィクションを見て
コラム …雪んこの頑張って咲きます♪
先月、何となく途中から見ていたフジテレビの「ザ・ノンフィクション」という番組が私にとって忘れられない番組となった。
その内容は、沖縄の歌手であるせいらさん28歳とご主人の話だ。
ご主人の大志さんはプロライフガード。収入が不安定にもかかわらず、先輩に騙され保証人となり1000万円を失う。
2人の夢はハワイでの結婚式。大志さんが全財産を失い、途方にくれていたときに支えてくれた仲間がハワイにいたからだ。2人は結婚式のためにコツコツと貯金をする。その夢が叶えられる日を目前に、ある出来事が2人を襲う。
大志さんが山道を走行中、野犬をはねたのだった。
飼い犬だったらまだしも、野犬?それがそんなに大きな出来事だったのかとテレビに釘づけになった。
私たちの場所では、野犬は見ることはないが、野良猫が道で死んでいることは時々目にする。
きっとひいてしまったひとは、「ごめんなさい」「安らかに」と声をかけて、立ち去ってしまうのだろう。道路上にある痛々しい姿がそれを物語っている。ましてや野犬だ。どんなウイルスを持っているかわからない。大方そのようなことに直面したら立ち去ってしまうだろう。
ところが、その野犬を抱きかかえ、大志さんは病院へと向かう。
手術のかいがあって、野犬は一命を取り留める。その手術費は36万円。
結婚式のために貯めていたお金がすべて消えることとなった。
さらに、野犬には半身不随という障害が残った。自分で尿を出さないため、1日3回、その手で出してやらなければならない。リハビリのお金も1回7000円と高額であった。
夫婦はどう決断したか。
野犬をマロと名付け、自宅で育てる決断をした。
犬用の車椅子も高額で買ってあげられなかった夫婦は今できることをしようと、傷口を隠すための可愛い服をマロに買う。
その覚悟の日からせいらさんはマロの介護に一日の大半を割くようになった。
またせいらさんは介護疲れからか本業の歌もおろそかになった。
しかし、悪い事ばかりではなかった。
太志さんがフェイスブックにマロのことを書きこみ、それを見た車椅子メーカーが車椅子を送ってくれたのだ。
ようやくマロは歩くことが出来、二人からは幸せな涙がこぼれていた。
番組の終わりには海の見える公園で車椅子を使いながら元気に走っているマロと夫婦がいた。微笑ましいその家族の光景は幸せと愛で溢れていた。
愛とは何か、命とは何か、生きるとは何か、あらためて考えさせられた番組であった。
そしてまた、養護施設にボランティアに行っていた友人の言葉を思い出した。
子供達の7割が親からの虐待という恐ろしい事実。
その事実からも目を背けることはできないが、せいらさん夫婦のように、自己を犠牲にしてまで他のもののために生きる、そんな愛があることを同じ人として誇りに思えた。
生きるとは誰かのため、何かのために生きてこそお金で買えない幸せな人生がある。そして全身全霊でそのものに向きあうこと、思うことが出来るのか。それこそが愛なのかもしれない…。
長くなりました。
私はこの夫婦のようにできるかと問われたら、ノーと答えるかもしれません。
でもおかれた立場で誰かのために何かが出来ると思います。
今、311を経験した私たちだからできる事が何かあるのではないでしょうか。
最後に。
熊本地震で亡くなられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
バックナンバー
新着ニュース
特別企画PR