文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
目にじわりと涙がにじむ。痛い。痛いが、出産の時よりは軽いはず。だいぶ昔で忘れちゃったけど。
痛かったのは、抜歯のための注射針による麻酔薬注入。数ヵ所をプスリと。その後、二本の歯を抜くのに一時間弱掛かった。心底くたびれた。
しかし、抜歯終了後に、くたびれ以外に生れた感情、それは感謝である。
今回の抜歯は、差し歯の土台部分の歯にひびが入ったためである。ひび割れていても頑張っていてくれていたわたしの一部、歯に対してじわじわと感謝の感情が芽生える。抜かれた小さな歯をじっと見て、こころのなかで「ありがとう」と言った。
いつも一緒にいてくれるのは、歯だけではない。わたしを守ってくれる皮膚や頭髪、爪。細胞ひとつひとつも「死んでは生まれ」を繰り返している。心臓はトクトクと動き続ける。脳みそは、わたしの身体にあらゆる指令を与え、わが楽しい空想世界のコックピットにもなっている。すべてが「チームあたし」の一員である。
言い尽くせない感謝の気持ちをここで叫ぶ。
「チームあたし」のメンバーの皆々様、いつも本当にありがとう!!果てるその日まで、よろしくお願い致します。
檀 ままこ
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