社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
入学式から1か月、近くの大学ではもう5月病は過去のものなのか、夕方になっても大勢の学生がキャンパスに集まってきていろいろとイベントやら集会を開催している。そんな様子を見ているとついつい引き込まれてしまう。彼らに倣って一人ひとりが自らの将来を展望するいい時期と思われます。
自らを見つめる
学究に、業務に、趣味に人々は自分の時間を集中し、そして何らかの成果を得て、それを評価判断しながら振り返る。そしてある程度の満足度をもって、次のステージでその成果をどう生かすかを考える。
例えば会社の日常業務で何度か自分の成果が採用されてくると、意欲がわいてもっと夢は大きくなる、そうして自然と日常の活動が自己研鑽につながっていく。
そして次に新たに興味を業務向上に注ぐか、あるいは別の場で成果を役立てるか、、、
世の中のためにと考える? 日頃からいろいろと気がかりなことが脳裏をかすめる。
身の回りの数々の問題をじっくりと振り返ってみる。
自信力がここでまた頭をもたげてくる これは若かりし中高生時代に部活に学科に自らの得意を発揮したころの記憶がよみがえる。
自信力は周囲の人の評価にも依存する、また今では第三者の意見を聞くチャンスすらある(ビジネスプランコンテスト等)。
このように考えると自らがどんなコミュニティに属しているかは重要な要素と思われる。
そして他人を参考に自分なりに可能性を秘めたものを創り上げる。
ようやく世間でシーズと呼ばれるに値するものになった。
今まで述べてきたのは自分の枠(自らの研究開発等)の話、自分の属する世界の外はどうなっているのか? 企業を例にとってもいろんなことが言える。
同じ会社でも他部署の動向は詳細にはわからない。
会社では戦略に沿わなくなった開発成果は一体どうするのか?
外部に投資していた成果をどう生かすか?
他企業の技術と合わせて新しいシーズも生まれるのでは?
様々な経緯で生まれてきたシーズを自分の属するコミュニティで徹底的にたたいてもらう。
そのチェックが入念に行われ自分の強みや改善点が見えてくる。結果として、自分の価値を再認識し、起業が優先度の高い選択肢となってきました。さてあなたならどうしますか?
次のステージに挑戦
次の事業化というステージに進むプロセスがすぐに話題になりますが、それは今までとは勝手が違うことは誰も感じています。
人は誰もがひとりではできることは限られていると自覚しています。
自分のPassion を共有し、事業化に向かって一緒に協力してくれる仲間は欠かせない。 ほとんどのケースではいわゆるテクノロジストが起業する。その場合には最初からCFO 役とBusiness Developmentを担う人達が加わることが必須と言われている。
あと2,3人同じマインドの人が加わればチームは最強になるでしょう。
いまではメディアからの情報で起業がごく普通に受け入れられる雰囲気が世の中に漂っている。
しかしながら一方では平田オリザ氏の著書にみられるように日本は下り坂を下って行っているように見える。
そしてその坂をいかにゆるりゆるりと下ってゆくかが現代日本人の知恵とも語られている。
果たしてその意味するところ真意は何なのでしょうか。
いくら少子化で人口が減り始めたとはいえ、人の心はそのような人口という変数に比例するものと言えるのでしょうか。
思い起こせば60年代東京オリンピックを契機に、先進国をモデルにし、追いつけ追い越せを合言葉に国民が一つになって70年代に突入、いま話題になっている人、田中角栄首相が大鉈(なた)をふるって日本列島を大改造する中、第一次オイルショックが勃発、大手自動車メーカーの将来が取りざたされ、世の中がこれからどうなるのかと人々は五里霧中あがき、あわてた。
しかしそんな中にも洋の東西を問わず起業家魂を持った人々が、自分たちはそんなショックに影響されるほど大きな抵抗を持った存在ではなく、間隙をぬって何とかするべきだ、できるはずだと冷静に対処していた。
そしてしばらく沈黙のなかそれらの人々は全力で自分の思いを実現すべく知恵と力を出し切った。
その結果、INTEL、SAP、EUROTHERMをはじめとする新興勢力が新しい産業を形成しはじめ、その流れは日本も例外ではなかった。堀場製作所 や理想科学の名前が私の脳裏にそれらの経営者の面影とともに浮かびます。
MIT の同窓生をみても、よき仲間とスタートしたMIT-EFJ(MIT-VFJの前身)を応援してくれたTERADYNEのd’Abeloff 氏やANALOGUE DEVICES のStata氏 はじめBose氏やKessel氏と枚挙のいとまがありません。
昨今は自分の保身のため何千人もの従業員の生活を混乱させる大手企業経営者が続出。この傾向がベンチャー企業経営者に及ぶ例まで報告されている。Responsibility とAccountabilityの両方をわきまえず、またそれらを誰も背負うことなく進める組織。
今こそ多くの先達が実践してきた利他の心をはじめ, 人の道の根本であるIntegrityを振り返り、自分のものとしてもう一度腹に落とすべきではないでしょうか。
綾尾愼治
<著者プロフィール>
綾尾 愼治
1965年東京教育大学理学部物理学科卒
1971年MIT大学院修了(原子力工学修士)
日本原子力研究所研究員 を経て
精密温度制御装置ベンチャー英国ユーロサーム社はじめ
クレイ・リサーチ、(株)シンコー、AT & T , ソレクトロン・コーポレーション
の経営幹部を務める。
1999年日本MITエンタープライズフォーラム設立に携わり、NPO法人化と同時に理事長に就任(2006年理事長退任、2012年理事退任)
九州大学客員教授・東京農工大学客員教授歴任
現在日本MITベンチャーフォーラム(2014.4改称)アライアンスチェアとして
海外(特に台湾と米国)との産学官連携推進に従事
専門分野: 技術経営、サプライチェーンマネージメント
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