かつて政界の牛若丸とよばれ、労働大臣までつとめた山口敏夫氏が突如都知事選に踊りでた。山口敏夫？既に忘れてしまっている人も多いこの先生。とにかく有名人だった。生活の党まで急降下してしまった小沢一郎氏とは旧知の仲。話題の女史、小池百合子氏とも一緒に新生党の仲良しだった。テレビ会見ではかなり老いた感が強かったが。

共産党の応援にまでかけつける小沢氏。自民党からは白い眼でみられていて、いまだに足元が固められない小池氏。そこに牛若丸登場となると、政治のこっけいさが浮き彫りにされてくる。小池さんは都連の会長の石原氏とも、安倍総理とも、総裁選で争った仲だけに、党内の人気はさっぱりだ。それにしても、民進党は何を考えているのかまったくわからない。決められない民進党をここでも露呈してしまっている。

世論調査によると、またまた自民党が圧勝というのだから、有権者の政治への関心は薄れてしまっても仕方ない。新しく選挙権を得る１８歳や１９歳はサッパリ政治のことなぞわかる筈がない。漫画としてはおもしろいのが近頃政治だが、冷笑や嘲笑からは何も生まれないということを我々は深く考えなければならない。

伊集院　隼人