地域情報
埼玉県内で予定されている各種イベントや地元の人や情報をあますとこなく紹介。
小川町とオーガニックフェス
2016年09月18日
今年で3回目を迎えた小川町オーガニックフェス2016が9月10日開催された。
このフェスは『有機農業を軸に地域が活性化し、環境も保全されるエリアが日本に、世界に広まって欲しい』という想いから始まった。今回は環境省と共催で開催。環境省は現在、『つなげよう、支えよう 森里川海』プロジェクトを進めている。都市部に住む人たちを含めて国民全体で、「森里川海」の保全とそれに関わる人たちを支えようというプロジェクトだ。家族連れや様々な年代の人たちと多くの人で会場は賑わっていた。
小川町は和紙の里として、有機農業の里として、有名だ。小川和紙のなかでも、楮(こうぞ)を原料に作られる「細川紙」は、国の重要無形文化財に指定され、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている、約1300年続く日本の手漉和紙技術。有機農業は45年前、金子美登(かねこよしのり)さんが一人で始めて、小川町で広がった。今では国内に止まらず、海外からも研修生が学びに来るほどだ。和紙漉きも有機農業も、化学薬品に頼らず、その地域の資源をできるだけ活用して成り立っている。自然の循環、自然との共生だ。
かつて和紙の産地で栄えた小川町は、有機作物や有機作物を使った食べ物を味わえる町へと発展している。カフェやレストラン、酒造、ワイナリーやブルワリー、パン屋や加工品販売店と、有機の食に関するあらゆるお店が揃っているといっても過言ではない。
フェスの会場は、環境や自然に配慮したさまざまな分野のブースが並び、トークセッションでは、「森里川海と都市」、「食の仕事」、「有機農業」をキーワードにトークが展開された。食と自然は繋がっている。安心で安全、そしておいしいものを口にしたいと思ったとき、自然や環境を考える。自然豊かな森や里、きれいな川や海、そんな環境で育った食べ物を口にしたい、してほしいと誰もが願う。自然や環境に配慮したものを選ぶ行動をとると、作り手や売り手も消費者に応えようと行動する。その行動が、自然や環境を守る実践へと繋がり、人々の幸せの循環となっていく。
有機農業を中心に地域活性化と、独自の発展をしている小川町だが、人口減は埼玉県内で3位に入る。少子高齢化と転入者の少なさからだろう。
「有機農業」や「オーガニック」という言葉は、いろいろなところで目にしたり耳にしたりするようになったが、有機作物や有機作物を使った商品をどこでも手にできるわけではない。まずは埼玉県内でも小川町がもっと身近な存在となり、小川町産の有機作物や商品が手に入りやすくなることを願うばかりだ。
Ogawa Organic FESの回を重ねるごとに、小川町の地域の取り組みや有機農業が世の中に広まり、だれもが自然の循環を意識した暮らしへとシフトする世の中になってほしい。
岡 アヤコ
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