トップページ ≫ コラム ≫ 男の珈琲タイム ≫ 訣別の街~人生は愛と友情と裏切り
コラム …男の珈琲タイム
ある寿司屋の女将が、亭主から別れ話を持ちかけられ、大粒の涙を恥しげもなく、私に訴えた。「私くらいあのひとを愛してきた女はいない!男って信じられない!私は完全に裏切られた」と。そして二人は二か月後に別れた。亭主は美貌の若い女将を迎えた。
私は複雑だった。人と人との信頼、恋、愛、友情は人間の永遠のテーマだ。太宰治は「大人とは裏切られた青年の姿だ」と書いた。人は人生の中でどれだけの背信と裏切りに遭わねばならないのだろうか。私はいつも人生の言葉として「仕方ないのだ」を心に持っているし、持ってきた。誓いの言葉も何ともむなしいことか。男の友情もその美名の裏はあらゆるエゴイズムがうずまいていることか。それでも人は前へ進まなければならない。明るいニヒリストこそかっこいいではないかと密かに思っている。
後に、名優アルパチーノが市長を演じ、その一番の信頼関係にあった側近中の側近とついには訣別をしなければならなくなった映画「訣別の街」を観た時、私は妙にさっぱりとし、悟りに似た境地とエクスタシーを覚えた。人生は愛と友情と裏切りを明るく悟って風の如く生き抜こうと思い続けて今日がやってきた。
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