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社会
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県議会・市議会 視座「子どもの貧困状況調査と、貧困の実態に伴う対策について」県議会より(後)
2016年12月01日
●松坂喜浩議員(改革)からの質問と提案
④児童相談所の通報を受けてから子供を確認するまでの最長時間48時間ルールが不徹底。事実上不可能で、方策がない現実。子供を守ることを最優先に、警察との連携強化や警察署内に児童相談所の分室を設けることは必要なのでは。
⑤児童相談所にいつでも駆け込めるように、一時保護所に児童福祉士を24時間・3交代で設置するのはどうか。虐待は休日、夜間に発生することが多いが、土日は休みのため児童相談所に連絡等できない。
神奈川県警は24時間体制で児童相談所と連絡を取っていると確認した。この辺を踏まえて視点を変えてもらえないだろうか。
⑥「虐待」という表現は親の行き過ぎたしつけと軽くとられる危険性があるため、「暴行」と呼ぶことが適切ではないか。
⑦里親委託の積極推進について、埼玉県は産みの親が育てられない子供のうち、85%が施設暮らし。里親数は一番多い県の4分の1という現状。暴行やネグレクトされた子供を家庭で育てられるのは現在の取り組みの延長戦では限界があると思われる。
●上田清司知事の回答
④児童虐待通告については、開庁時間に児童相談所で受け付けるほか、休日・夜間の閉庁時間は専用電話で対応。また、児童相談所の職員は当番制で携帯電話を持ち、専用電話の担当者と常に連絡が取れる体制をとっている。
虐待通告のうち、緊急性の高いものは児童相談所の職員が安全確認を行っている。また、内容が真に切迫した状況の場合は、110番通報するなど警察と連携対応している。
各児童相談所に警察OB、こども安全課には現職の警察官を配置し、児童相談所と警察との連絡調整を行っている。2016(平成28)年4月から児童に係る110番の情報について、各警察署から市町村や児童相談所に情報提供されるようになった。
現時点では警察署内に児童相談所の分室を設けることは行政組織上の課題が多く、今後の研究課題。当面は、こうした取り組みで警察との連携を更に強化していく。
⑤8時間ずつ一定のスタッフが、24時間交代勤務する形態は、それなりの増員と体制を考えなくてはならず、行政組織上想定していない。
⑥児童防止法において、児童虐待は「身体的虐待」、「性的虐待」、食事を与えないなどの「ネグレクト」、暴言などの「心理的虐待」の4種類。
単に虐待を暴行や傷害という表現は、虐待という概念について誤解を招く可能性があるが、虐待=暴行、傷害といかなくても、虐待を軽視しないという認識を持つべきである。
⑦虐待を受け、心に大きな傷を負った児童を里親委託によって、家庭的雰囲気の中で療育することは、児童の健やかな成長のために大変重要。
各児童相談所に里親専担組織を設けるとともに、非常勤の里親委託等推進員を15人配置し、体制の充実をはかっている。その結果、里親等委託率は2010(平成22)年度10.1%から2014(平成26)年度には16.6%に上昇。都道府県順位も28位から21位に上がっている。
他の自治体の成功事例も検討しながら、里親委託を一層推進していく。
●所感
子供の貧困や虐待は、さまざまなことが複雑に絡み合っている。また、外からでは分かりにくいことも多く、慎重にならなくてはならない問題だ。今ある制度や仕組み、取り組みを最大限に活かして救っていくほかないのだろうが、それに係わる者すべてが同じ意識を持ち、連携して子供を助けようという気持ちがなくては成り立たず、不幸は後を絶たない。
まず子供自身や大人もみな、貧困や虐待についての正しい認識を持つことが大切なのではないだろうか。
岡 アヤコ
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