文芸広場
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朝、屋外の音に気がつき窓を開けてみると、エアコンの室外機が勢いよく作動していた。誰もエアコンをつけていないのに。
え?エアコンを何度見てみてもついていない。故障したらしい。
室外機からの強風が何だか不気味で、急いで電気屋さんに電話した。何となくザワザワした気持ちになっていたが、電気屋さんがのんびりした声で言う。電源コードを一度抜いて、1、2分してからまた差し込んでみると機器がリセットされて止まることがあるとのこと。
わが家のエアコンは、1階にひとつ、2階にふたつある。2階のエアコンは手の届かない高い場所に設置してあって、しかも見えにくい場所にある。脚立の上からのぞき込んだら、電源コード自体が見えない場所に引き込んであるので、コードが抜けない。結局、ブレーカーをいじって、電源を切った。何事も後々のメンテナンスのことを考えておくべきと感じた瞬間。
電源を切ると、室外機は止まった。さらに、ブレーカーの電源を入れ直しても静まったまま。ほっとした。
そういえば、エアコンも15年使っている。そろそろ新しいものに買い替えてくれとの室外機の叫びだったのか?最近、ガスコンロも具合が悪い。次々に壊れゆく設備たち。
生活していくって、面倒くさいことのオンパレード!そして人生とは、掛かる経費を予想していかねばならぬのだ!当たり前のことを今更ながら実感する。結構な年数を生きてまいりましたが、そういった当たり前のことを考えずにいた。世の皆々様は、涼しい顔をして電化製品を買い替え、家のメンテナンスに手間とお金を掛け、一人前の生活者として生きているのですね。
恥ずかしながら、目先のことばかりに気を取られることで生きてまいりました。わたくし。嗚呼、現実的な生活能力があれば、過去のわたしはストレス解消の買物依存にも走りませんでしたのに。
室外機の叫びが自分の叫びへと変わったところで、過去の自分は変えられない。だから、壊れゆく設備を少しずつ買い替えるべく、月に1万円ずつの「おうち貯金」を始めたのであった。
檀 ままこ
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