うわさの噂
まちで耳にした噂話、内緒話をこっそりお届け
その人の部屋にはいつも変らぬ色紙が飾ってあった。
「虚にして入り実にして帰る」と書いてあった。はじめての人と会うための心構えです。とその人はいつも照れていた。とにかく謙虚な人だった。高い地位にあっても決して威張らなかった。そして、心に決めたことは必ず実践し成就させた。イソップ物語の北風と太陽の話ではないが、その人柄に相手が自然に衣を脱いだ。
私はこの人を接人極意の人と尊敬し、少しでもこの人に近づこうと努力してきたがいまだ到達できぬ未熟者の自分を悔いている。先日、私の後輩に人に会う時は先入観をもたず、心を虚しく平らにして会うと相手も胸襟を開いてくれるんだよと説くと、翌日、早速、虚往実帰ですねとその後輩がメールしてきた。
ふつうは、私が述べ、それを聞いてふうんと頷いて終るが、この後輩は違っていた。努力家の彼は私の言葉を四文字熟語として調べたのだ。
この生きる姿勢が彼の運を強くさせているし、これからも強運の持ち主となること間違いなしだ。
彼が今度、虚往実帰と実践しながら生きて行ったら限りなく大物になる筈だ。
話はそれたが、「虚にして入り実にして帰る」を教えてくれた人は、すでに黄泉の人となられた。埼玉県の副知事だ。接人の達人と努力の天才の二人からはいつも学んでいる。
バックナンバー
新着ニュース
- 島耕作、50年目の慶事が台無しに(2024年11月24日)
- 第31回さいたま太鼓エキスパート2024(2024年11月03日)
- 突然の閉店に驚きの声 スイートバジル(2024年11月19日)
- すぐに遂落した玉木さんの質(2024年11月14日)
特別企画PR